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2019年11月 6日 (水)

「新版画展」in 恵那

先日、恵那駅から程近い中山道広重美術館で開催中の「新版画展」を見に行った。(12月8日まで開催)

展覧会の副題に「巴水・古邨・深水を中心に」とある。それぞれ川瀬巴水(風景画)、小原古邨(花鳥画)、伊東深水(美人画)なのだが、やはり新版画といえば川瀬巴水、という感じがする・・・と言っても、自分が巴水を知ったのはごく最近(苦笑)。展覧会で巴水の作品を自分が見るのは、4年半ぶりになる。今回の展覧会では期間中、「日本橋 夜明け」や「芝 増上寺」など巴水の16作品が展示される。パンフレットから新版画の解説部分を、以下にメモしてみる。

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新版画とは、大正初期から昭和にかけて描かれた木版画を指します。江戸時代の浮世絵と同じように、版元を置き、絵師、彫師、摺師による分業によって制作されていました。
新版画を生み出し、発展させたのが、美術商で浮世絵の輸出に携わっていた渡邊庄三郎(1885-1962)という人物です。

明治中期頃から、浮世絵の生命は脅かされていきます。江戸時代、マスメディアとしての役割も担っていた浮世絵は、情報を伝えるという面では新聞や写真に太刀打ちできなくなっていきます。加えて、当時は西洋文化への賛美や江戸文化への蔑視もあり、浮世絵の衰退は著しいものでした。この状況を案じた庄三郎は、同時代作家の下絵を彫師と摺師の手を経て、純粋な絵画として木版画を完成させるという新事業に乗り出しました。これが新版画の始まりです。

明治期には彫りや摺の技術は最高潮に達しており、新版画は江戸時代の浮世絵と異なる芸術性を獲得します。
そして川瀬巴水や伊東深水などの画家が登場し、大いに活躍しました。

・・・光と闇、雪や雨、水面、そしてグラデーション・・・巴水の作る色鮮やかなイラストのような版画作品の美しさは、いわば現在を直ちに追憶化するかのような感受性の力が生み出したものではないかと思う。

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