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2019年5月11日 (土)

深井教授、著作に虚偽の不可解

(本日付日経新聞社会面より)
東洋英和女学院(東京・港)は10日、深井智朗院長(54)の著書などの内容に極めて悪質な捏造や盗用があり、同日付で院長と東洋英和女子学院大教授の職について懲戒解雇したと発表した。著書で取り上げた人物とその論文はいずれも実在せず、捏造と認定した。
同大の調査委員会によると、著書は2012年刊行の「ヴァイマールの聖なる政治的精神」(岩波書店)。神学者「カール・レーフラー」とその論文に触れているが、この人物の実在を裏付ける資料はなかった。
18年10月、キリスト教関係者向けの新聞に疑義を指摘する記事が掲載され、同大が調査委を設置した。ドイツ思想史などが専門の深井氏は16年4月に同大教授となり、17年10月から院長。「プロテスタンティズム」(中公新書)が18年の読売・吉野作造賞を受賞した。

・・・この件は昨秋、週刊誌ネタになっていたのは承知していたが、このたび公式に捏造が認定されたことになる。問題の書となった『ヴァイマールの~』だが、自分は何か面白そうだと思って買ったし、カルチャーセンター講座で深井先生ご本人を見ていたこともあり、頭も良く人柄もソフトな感じで神学ジャンルでは要チェックの先生だと思っていたから、今回の出来事については「なぜ?」という感想しか出てこない。

件の「カール・レーフラー」という人物については、『ヴァイマールの~』「第4章ニーチェは神学を救うのか」の中でこう述べられている。

神学者カール・レーフラーは、1924年に書かれた「今日の神学にとってのニーチェ」という論文の中で、ニーチェのキリスト教批判を分析した上で、(中略)ニーチェの批判によってカール・バルトの神学は消滅するという議論を展開している。

正直このニーチェと神学という逆説的な取り合わせに魅せられて第4章だけでも読むかと思って、この高価な本を買ったので、ここに虚偽の部分があるならば「参ったなあ」という感じしかしない。岩波書店の編集者は何をやっていたのだと思ったりもするけど、そもそもフェイクに手を染める必要なんか全くない才能豊かな先生であると思われるので、とにかく不可解というほかない。

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