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2019年5月 9日 (木)

歴史は変わる、昭和史も変わる

昭和史については、新しい実証研究の成果に基づく新しい解釈が生まれているにも関わらず、それらが人々の間に充分共有されているとはいえない――本日付日経新聞オピニオン面のコラム記事(昭和の教訓、生かす時代に)からメモする。

近年来の昭和史ブームのなか、たくさんの本が刊行され、読者を得ている。これ自体は歓迎すべきだが、筒井清忠・帝京大教授はこう指摘する。
「一般向けの昭和史本には最新の研究成果を踏まえず、過去の俗説や誤りがそのままになっている書物が氾濫している。このままでは複雑な過程をたどった昭和史への理解が深まらず、単純な歴史観が横行してしまう。危うい状況と言わざるを得ない」

では、どうすればよいのだろう。広がる読者の需要に応えようと、歴史研究を専門としないジャーナリストや作家、識者らが次々と参入し、昭和史本を刊行している。書き手のすそ野が広がるのは良いことだが、執筆にあたっては入念に最新の学説を洗い出し、反映する努力をさらに尽くす必要があるだろう。

状況を改めるうえで、歴史研究者が果たせる役割も大きい。そのひとつが、個々の専門領域から一歩踏み出し、一般の読者にもわかりやすい近現代の通史を、もっと手がけることだと思う。

・・・昭和史に限らず、新たな研究と解釈により、歴史の通説が変わっていくことは、例えば日本史教科書の内容が昭和と平成で違うということにも現れている。歴史の見方が変化していく中で、極端に言うとジャーナリズムの人は自分の推理も含めて不確かなことを書き散らし、アカデミズムの人は狭い専門の内に留まり確かなこと以外は語らない。最近も週刊ポスト誌上で井沢元彦氏と呉座勇一氏の「論争」があったりして、作家と学者のすれ違いは今に始まったことではないが、とにかく新しい学問的成果を分かりやすく一般人に伝える仕事を担う人材が、もっともっと必要かもしれない。

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