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2019年2月 1日 (金)

年金受給75歳選択のまやかし

厚生労働省は、年金受給開始年齢の大幅延長及び増額を選択肢として提示すれば、年金受給を繰り下げる人が増えると思っているらしい。が・・・本日付日経新聞市況面コラム「大機小機」(75歳年金選択は改革にあらず)からメモする。

厚生労働省は年金の受給開始年齢の75歳への繰り下げの検討を始めた。これで毎月の年金額は65歳開始時に比べて2倍程度となるという。しかし、これは年金財政の改善には何ら結びつかない。年金の繰り下げ受給は、加入者が平均寿命までにもらう年金総額には影響しないからだ。

高齢者就業を促進するという効果も疑わしい。現行の65歳以降の繰り下げ受給の利用者は1%にすぎない。保険料を長年支払った年金を受け取らずに死ねば大損というのが人情であり、70歳以上ではなおさらだ。さらにこの対象の高齢者は保険料免除であり、年金財政にも貢献しない。

日本の年金の給付水準が国際的に見て低いというが、給付期間の長さは極端に長い。厚生年金(男性)の支給は、2025年に65歳に引き上げられるが、平均寿命の80歳まで15年間も年金を受け取れる。他の先進国では、日本よりも平均寿命が短く、支給開始年齢が67~68歳のため、平均10年間である。
他の先進国並みの受給期間とするため、70歳支給の検討を速やかに始めるべきだ。

70歳まで年金がもらえなければ大変というが、諸外国でも法定の年金支給年齢まで働き続ける人は少ない。おのおのの事情に応じて、早期に減額された年金を受け取り、引退生活に入るのが普通である。年金はあくまでも「長生きのリスク」に対する保険である。収支の均衡を基準とした法定の支給開始年齢の下で、各自が自分の引退時期を決められる、弾力的な仕組みとするべきである。

・・・年金財政を持続可能にするためには、年金支給年齢の引き上げは必至。仮に年金支給開始を70歳と定めれば、70歳まで働き続ける人と、早めにリタイアして減額された年金の繰り上げ受給を望む人と、二極化すると思われる。とにかく、リタイア年齢は自分で決める時代に入っている、ということだ。

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