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2019年1月16日 (水)

歴史は科学か文学か

1月12日付日経新聞コラム記事「半歩遅れの読書術」(執筆者は国際政治学者の国分良成)では、E・H・カーの『歴史とは何か』、岡田英弘『歴史とはなにか』が取り上げられている。以下にメモする。

カーは、歴史上のさまざまな事象の原因についての仮説を立て、あらゆる過去の史料を駆使してそれを検証し、そうした作業の中から一定の法則性を見いだし一般化することが、現在と将来への教訓として役立つと考える。この点で、歴史は科学であり、理性を通して人類の進歩に貢献しうると主張する。

「歴史は物語であり、文学である。言いかえれば、歴史は科学ではない」と、岡田氏は言い切る。歴史は「ことばで組み立てるもので」、人間による現実の政治支配を正統化することから始まっており、結局のところ、歴史の中心を成すのは政治史だという。しかも歴史には古代史と現代(=近代)史の2つしかなく、「中世」というような進化論的な発展段階を入れるのは誤りで、現代史は19世紀に「国民国家」が成立し、「国民」の概念が歴史に挿入されてから始まったというのである。

しかし、この2人の泰斗には本質的な部分で共通点がある。両者ともに、歴史は歴史家によって組み立てられ、歴史的事実の解明には史料の精査・読解とそれに対する広い視野からの意味づけが必要であり、そして歴史ほど面白く人生を豊かにさせるものはない、という立場で一貫している。

・・・歴史学は科学である。その方法は史料の批判的検討。ただしさすがに今では、法則を見出すことまでは目的としていないだろうな。
歴史学の始まりは、国民国家の自己正当化のストーリー、だと思われるけど、今はそれこそグローバルヒストリーで、国民国家の来歴を超える同時代の地域横断的なストーリーが探求されている、ということなんだろうな。

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