名古屋城木造復元の行方
石垣調査中の名古屋城(2019年1月15日撮影)
昨日夜、「名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会」に出てみた。場所は熱田区役所。今日の報道によると、250名分の席が用意されたところに、話を聞きに来た人の数は38名。河村市長の挨拶から始まり、名古屋市及び竹中工務店からの説明、質疑応答という進行。参加者からの質問は、反対あるいは批判的な立場から発せられたものが大部分だった。
個人的には名古屋城木造は「狂気の沙汰」としか思えないが、会場で出された「金の無駄遣い」「バリアフリーを軽視するなんて障害者を馬鹿にしている」という類いの批判は、いかにも「市民的」で正直つまらない。同感したのは「文化庁に復元計画の受け取りを拒否されている理由を明らかにせよ」という質問。そこが肝心だね。(回答は、審議中なので明らかにできない、という分かるような分からないような説明だった)
文化庁に計画を提出する次の機会は今年5月と聞いているが、まず石垣保全問題等をクリアしなければ、文化庁が計画を許可する可能性はほぼゼロだろう。そうなれば2022年末完成という目標は見直し必至だ。
石垣部会のメンバーである千田嘉博先生は、そもそも完成期日ありきの計画に無理があると語っている。名古屋市が本当に価値のある文化事業だと考えているなら、じっくり取り組むほかに手は無いだろう。(千田先生の言うことに従えよ。笑)
| 固定リンク
コメント