四半期決算への懐疑
本日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」(四半期決算の弊害)からメモする。
上場企業、とりわけ製造業の経営者の間では、四半期決算は必要なのかという疑問の声が高まっている。
四半期つまり3ヵ月というのは、業績改善の目標期間としては短すぎる。
特に製造業の場合、3ヵ月で業績に反映できるような改善領域は少ない。短期業績が厳しく追求されると、業績改善意欲はかえってそがれてしまう。かつて東芝で起こったような、会計数字を操作するという不正行為すら起こってしまうこともある。
短期の業績目標ばかりが重視され、中長期の戦略的課題が忘れられてしまう。四半期決算が短期志向を助長する問題は、1980年代に米国で四半期決算が広まった時にも認識されていた。
3ヵ月では業績の改善が難しいから、出発点となる四半期の業績を下げてV字型回復が演出されるという現象が、米国ではよく起こった。社長の交代時に前任の社長の投資を減損処理し、業績回復を演出するやり方である。
四半期決算の廃止は、投資家にとってもメリットがある。四半期の数字の分析に代わって、中長期の戦略課題の達成を評価することにもっと時間を使うことができるようになるからである。
・・・四半期数値が目標になると、経営に悪影響を及ぼす可能性はあると思わざるを得ない。四半期決算は所詮、株式相場の売り買いの材料だと割り切るしかないかも。
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