ブロントサウルス、「復活」困難か
昔からの恐竜ファンには馴染み深い「ブロントサウルス」。しかし、先に発見された「アパトサウルス」と同種であるという認識が次第に浸透して、今では「ブロントサウルス」の名前は使われなくなってしまった。ということは自分も承知していた。でも、最近この2種は別種だという説が登場した。ということを自分は去年の夏頃に知って、ブロントサウルス「復活」を期待していた・・・わけだが、『大人の恐竜図鑑』(北村雄一・著、ちくま新書)の解説によると、どうもそれも難しいらしい。同書から以下にメモする。
2015年になってブロントサウルスはアパトサウルスと違う!という論文が出た。これが正しいのならブロントサウルスの名は有効となり、復活する。
自分がこの論文を読んでみた限り、ブロントサウルスが有効という根拠はどうにも弱い。論文によればブロントサウルスが有効である根拠は、胴体を支える背骨にある。その突起の先端がそり返っていること。この違いに基づけば、たしかにブロントサウルスはアパトサウルスとは違う。ブロントサウルスは有効となり、名前も復活する。
だが生物の特徴はしばしば相矛盾した結論を指し示す。例えば論文が併記するように、これに反する証拠があるのだ。彼らの胴体を支える背骨には、骨を強化する板のような構造がある。この特徴に基づいて考えれば、ブロントサウルスはやはりアパトサウルスとなってしまうのだ。
私が思うに、取りあえず現状維持で良いのではないだろうか。つまりブロントサウルスはアパトサウルスのままで良い。少なくとも証拠がもっと増えない限り、二つを区別する必要はないだろう。
・・・という、至極冷静な結論となっているが、個人的には少々落胆するなあ。ブロントサウルス、何とか復活してほしいんだけどなあ。
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