「チェコのトランプ」は日系人
日本生まれの外国人では、ノーベル賞作家カズオ・イシグロが今一番注目の人物なんだろう。じゃあその次はというと、チェコの日系人政治家トミオ・オカムラかも知れない。反EU、反イスラム主義を打ち出すオカムラは、「チェコのトランプ」と呼ばれているそうだ。昨年、日経新聞(11/18付)記事で知り、「こういう人がいるんだ、へぇ~」みたいな感じだったが、小学館の雑誌「サピオ」最新号にもインタビュー記事が掲載されたので、以下にメモする。
トミオ・オカムラ(日本名:岡村富夫)/チェコの第三党「自由と直接民主主義」(SPD)党首。1972年、東京生まれ。5歳でチェコに移住。18歳で日本に渡るも、3年半でチェコに帰国。その後、日本語教室や日本人観光客向けのガイドで成功。2012年に無所属で上院議員選挙に当選。15年にSPD創設。
(オカムラ氏の話)
「チェコ人によるチェコ人のための国」。ここに、私の目指す政治がある。われわれ(人口1057万人)は、EU離脱をもっとも強く願う国民だ。
建前上、EUは多様性を求めているが、現実は難民や移民による治安悪化は免れない。さらには、チェコ人から仕事が奪われている。それはおかしい。そんなごく当たり前のことを、私は提言しているに過ぎない。
様々な誤解が広まっているが、SPDが掲げる要の政策が「直接国民投票」だ。国の政策は国民が決める。これこそ、私が理想とする社会であり、チェコ共和国の姿である。国民の85%がEUに不満を抱いてる。これを実現できれば、チェコは、自ずと“チェグジット”(チェコのEU離脱)に向かうだろう。
私には大統領になりたいという野心はない。今はチェコ人のための政策を一歩一歩進めるだけである。
・・・経済優先主義により、労働力として移民を受け入れると、国民生活の社会的安全性が損なわれるという不安や反発から、ヨーロッパの「右傾化」現象は強まっているようだ。
島国ニッポンは、移民問題にまともに向き合っているとはいえないが、遠くない将来、人口減少から経済が移民なしには成り立っていかない状況に直面した時、移民との関わりは避けることのできない問題として現れてくるのだろう。そう考えると、ヨーロッパの右傾化問題も他人事とは言えなくなる。
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