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2017年11月25日 (土)

消えゆく半チャンラーメン

もう30年も前、神保町にある小さな出版社に勤めていたことがある。なので、ラーメン屋の「さぶちゃん」閉店のニュースが目に入った時は、感慨めいた思いを抱かざるを得なかった。看板メニューは、ラーメンとチャーハン半分のセット、半チャンラーメン。21日付東洋経済オンライン発信記事(執筆者はラーメンライターの井手隊長)から以下にメモ。

東京・神保町で長らく愛されてきた老舗のラーメン店が、ひっそりとその看板を下ろした。「さぶちゃん」。熱心なファンを獲得しており、行列が目立つお店として有名だった。

「さぶちゃん」が閉店してしまったのは、「半チャンラーメン」というメニューを提供してきた「町中華」の凋落を象徴しているようでもある。

「町中華」は今、店主の高齢化や後継者問題に悩んでいる。

厚生労働省が2011年に発表した「飲食店営業(中華料理店)の実態の経営改善の方策」によれば、個人経営の中華店の店主の年齢は50歳以上で72%。5年以上前のデータなので、今はさらに高齢化が進んでいるだろう。

このうち営業時間が10時間以上の個人店は30.8%。閉店時刻も「21時以降」が73.9%を占め、長時間営業が当たり前となっている。そして、「後継者がいない」と答えたお店は何と全体の62%に上った。

店主の高齢化が進み、後継者探しも難しく、長時間労働となると閉店もやむなし。実数を把握できないが、「町中華」は確実に町から減ってきている。おのずと「半チャンラーメン」を出すお店も減ってきているということだ。

・・・「町中華」の減少のほか、糖質制限ブームの逆風、調理工程は多いのに価格設定は抑えめ、というのも半チャンラーメン衰退の理由という。

日本の中小零細企業が抱える、経営者の高齢化と後継者難という問題から、町中華も逃れることはできない。それが現実だろうとは思う。でも、このまま町中華そして半チャンラーメンが消えていき、町のラーメン屋はチェーン店だけになってしまったら、それも何だか味気ない感じがする。

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