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2017年1月 7日 (土)

経済停滞とポピュリズム

本日付日経新聞市況面のコラム「大機小機」(市場経済と民主主義の危機)からメモする。
 
2016年はポピュリズム(大衆迎合主義)が世界を席巻した。英の欧州連合離脱決定、トランプ次期米大統領の選出はもとより、フィリピン、コロンビア、ブラジル、イタリア、韓国で起きたことは市場経済や民主主義のあり方に波紋を投げかけた。

各国には固有の事情がある。だが貧富の差の拡大、中間層の没落、地方の衰退などの経済問題に対し、政治が無力であり、社会が分断されたままであることへの国民の失望が共通点として指摘される。
経済的苦境が続く一方で、社会的不公平や不公正が是正されず、社会正義が実現されないことに国民の怒りが爆発した。それがポピュリズムを台頭させ、反グローバリズムにつながっているといって過言ではない。市場経済と民主主義の危機で、それはそのまま今年に持ち越されている。

ポピュリズムを加速させたのはリーマン・ショック後の経済運営といわれる。各国は金融緩和の協調で金融システムのリスクを回避した。一方で緊縮的な財政政策を続けた結果、セーフティーネット(安全網)機能が低下した。さらに構造改革を先送りし続けたため、潜在成長率も低下した。そこに新興国の成長鈍化が重なり、世界的な景気低迷に拍車がかかった。

・・・どうやら「格差拡大、中間層没落、地方衰退」というのは各国共通の課題、特に先進国においては経済の「長期停滞」の原因でもあるような印象だ。市場原理に任せる新自由主義的な解決策である「トリクルダウン」の効果も特に認められない現状では結局、再分配政策の妥当性が問われることになるはずだが、既得権勢力に阻まれているのか、是正する動きも見えてこない。市場経済は失敗し民主主義も機能していない現状は、「最大多数の最大幸福」を実現する社会には程遠いと言うほかない。

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