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2016年5月 7日 (土)

松本隆の魔術的作詞

土曜日午後5時からの小堺一機のトーク番組「かたらふ」で、先週と今週の2回、松本隆・作詞の歌について、小堺クンと齋藤孝・明治大学教授があれこれ語っていた。その齋藤先生が、雑誌「pen」(5/15号)の特集「いとしの歌謡曲。」にも寄稿しているのでメモする。

70~80年代の作詞家たちの特徴をひと言でいうなら、状況設定と描写における完成度の高さでしょう。いまのJポップが、自分の気持ちをシンプルかつストレートに伝えるのとはちょっと違う。

松本隆さんは、一つひとつの歌詞の世界が奥深くイメージが豊かなので、私たちをいろんな世界へ連れていってくれました。

松本さんの歌詞は、風景と心情が常に混じり合っている。「天地有情」という言葉がありますが、風景にも情があって、人の心は天地の情と分けることができないのです。そして松本さんの詞は、風景自体が情をもっているのです。だから、ちょっとした描写で私たちはすっとその世界に入っていける。

松本さんは男女の気持ちのズレを描くのも上手です。太田裕美の「木綿のハンカチーフ」や斉藤由貴の「卒業」、薬師丸ひろ子の「メインテーマ」はすべて男女の心のすれ違いを描いていますが、女の子のほうが不安を先取りしているのが興味深い。

一方で松本さんは、松田聖子とともにファンタジーの世界をつくり上げました。「渚のバルコニー」なんてまるで外国の映画の世界のようで、外国に行ったことのない我々は憧憬をもって聴いていた。

・・・先週の「かたらふ」では、松田聖子や斉藤由貴、今週は太田裕美や薬師丸ひろ子を取り上げていたが、番組でも紹介された太田裕美「木綿のハンカチーフ」はホントに良い歌だよな~。都会に出てきた男の子と故郷に残された女の子、次第にすれ違う心の動き。東京生まれ・育ちの自分もなぜかひどく切なくなる歌。むしろこういうシチュエーションに憧れを感じたりする。あと太田裕美で思い出すのは「九月の雨」。これも胸を締め付けられるような気持ちになる歌。

ところで「いとしの歌謡曲。」では、松田聖子、中森明菜、小泉今日子など80年代アイドルにかなりのページが割かれている。けど、個人的にはアイドル歌謡は歌謡曲ではあるけれど、ちょっと違う感じ。自分の歌謡曲ど真ん中は「また逢う日まで」「喝采」「危険なふたり」など、要するに70年代のイメージ。70年代歌謡曲、80年代ニューミュージック、90年代Jポップと変遷してきたニッポンの歌。で、今はどうなってるの?というと正直自分にはよく分からない。(苦笑)

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