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2016年1月30日 (土)

「朝鮮通信使」、記憶遺産へ

本日付日経新聞から以下にメモ。

江戸時代、朝鮮王朝が日本に送った外交使節「朝鮮通信使」の関連資料を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に申請することが29日、正式に決まった。日本と韓国の民間団体が国境の島・長崎県対馬市で、共同申請書に調印した。2017年の登録を目指す。
日本側の資料は、朝鮮外交に当たった儒学者・雨森芳洲の著書のほか各地に残る文書、絵など48件209点。韓国側は、朝鮮王朝がまとめた関連文書、通信使が残した日記など63件124点。

・・・昨年秋、広島県下蒲刈の朝鮮通信使再現行列を見に行ったことが思い出される。「豊臣の戦争」と「徳川の平和」、朝鮮通信使は平和の象徴。戦争の象徴である「倭城」も世界遺産になれば良い・・・けど無理かな。

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2016年1月27日 (水)

『わが闘争』ドイツで出版

ドイツで発禁本扱いだったヒトラー『わが闘争』が、70年ぶりに出版されたそうだ。ただし学術研究書として。今月8日に現代史研究所(ミュンヘン)から発行されている。「日経ビジネスオンライン」の本日付発信記事から以下にメモする。

ヒトラーが1920年代に著した『わが闘争』は、33年にヒトラーが権力を掌握して以降、全体主義と反ユダヤ主義を掲げるナチズムを推進する支柱となり、ドイツ敗戦の45年までに発行部数は実に1200万部にも達したという。

敗戦に伴い占領軍としてミュンヘンに駐留した米国軍は、ヒトラーの当時の私的住所がミュンヘンにあったことから、『わが闘争』の著作権を地元バイエルン州政府に移すことで同著出版の道を封じた。同州政府が以来、ドイツ語による出版を全て拒絶してきたのだ。

しかし、ドイツの著作権法では著者の死後70年で著作権の保護期間が切れる。『わが闘争』の著作権も2015年末で消失し、誰でも再出版できるようになることが分かっていた。そのため、ドイツでは何年も前から『わが闘争』の再出版問題にどう対応するか、様々な議論が重ねられてきた

その結果、各連邦州政府の司法当局は、ドイツの「反扇動法」を根拠に無批判なまま同著を出版することを禁じることで合意。その一方で進められてきたのが、現代史研究所による注釈付き学術版である『わが闘争』の出版だ。

現代史研究所は、ナチズムがなぜ台頭するに至ったかを研究すべく1949年に設立された。同研究所の歴史家5人が3年の歳月をかけ、3500以上に上る学術的注釈を加えながら編集した新版は上下2巻、計約2000ページに及ぶ。

『わが闘争』の書店からの注文が予想より多かったため、現代史研究所は発行部数を当初の4000部から急遽1万6000部に拡大した。独アマゾンでは8日、数時間で完売したという。

・・・ナチズム研究はピークを過ぎた。という話を聞いたことがある。確かに、これから新たな事実や新しい視点が出てくるというのも想像しにくい。となれば、ここでナチズムの「原点」である『わが闘争』の研究書版を世に送り出すのも、充分意義のある仕事だと思われる。これはもうとにかく純然たる歴史研究の資料として扱えば良い訳だし。

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2016年1月24日 (日)

パルテノン神殿の数奇な変遷

昨夜のTBS「世界ふしぎ発見!」でやっていたのは、パルテノン神殿の彩色プロジェクトの模様。アメリカのナッシュビルにあるパルテノン神殿の実物大レプリカ(そんなのあるんだね)に、プロジェクト・マッピングでカラーリング。最新研究による本来の姿を再現するという意欲的なショー。

確かに最近、ギリシャ神殿やギリシャ彫刻には色が付いていたという話をちらほら見聞きするようになった。以下は『古代ギリシャのリアル』(藤村シシン・著、実業之日本社)から、パルテノン神殿の辿った数奇な運命についてメモ。

神殿の正面には必ず祭壇があります。これは神殿に向かって祭儀をするためですが、実はパルテノン神殿には祭壇がありません。神殿の中には巨大なアテナ像が収められていましたが、アテナ像を覆っていた金の装飾はすべて取り外せるようになっていて、有事の際に持ち出せるように細工してあったのです。
つまりここは一般的な「神殿」ではなく、本質的には「宝物庫」といったほうが近いのです。

中世に入ると、「ギリシャ人」を名乗る人はもちろん、古いギリシャの神々を信じる人々は一人もいなくなりました。しかしそれでもパルテノン神殿はこの場に立ち続けていました。
パルテノン神殿は紀元後6世紀ごろに聖母マリア教会へと改修、その後15世紀になってオスマン帝国の占領下に入ると、今度はイスラム教のモスクへと改修され、宗教は違えど崇拝の場として長く使用されていたのです。
しかし、17世紀に入るとここへヴェネツィア軍が攻め入り、オスマン帝国はパルテノン神殿を要塞化して弾薬の貯蔵庫に変えました。ヴェネツィア軍は構わず砲弾をぶちこんで、結果神殿の内部の弾薬に引火、爆発炎上・・・。2000年間、頻発する地震にもほぼ無傷で耐えられていたパルテノン神殿は、ここに完全に破壊されてしまったのです。

19世紀にギリシャが独立すると、「古代ギリシャのころのパルテノン神殿に戻そう」と修復が始まり、今に至っています。しかし、古代のパルテノン神殿にあって、修復された今のパルテノン神殿にはないものがあります。それは色です。
「本当の」パルテノン神殿は、白亜ではなく極彩色に彩られていたのですから!

・・・白亜のイメージの「古代ギリシャ」とは、ヨーロッパ人が自らの文明の起源として理想化した姿であり、真実はどうやら違うらしい。古代ギリシャについて、認識を新たにしないといけないようだな。

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2016年1月21日 (木)

障害と闘う勇気に教わる

僕は身体障害者の端くれである。障害者等級は5級。左足に麻痺部分があり、充分に力が入らないので歩行は少し不安定である。原因は脊髄腫瘍(硬膜内髄外腫瘍)。手術はしたが症状は改善しなかった。

そんなこともあって、最近は障害に関わる話に何となく関心が向くのだが、NHK・EテレでハートネットTVという障害者福祉系の番組がある。この番組では去年、ナチスの障害者抹殺政策の話をやっていた。何となく見たのだが、障害者抹殺はユダヤ人虐殺よりもナチスの恐ろしさを示しているようにも感じた。つまり、ユダヤ人排除にはヨーロッパの歴史的背景も無視できないのに対して、障害者抹殺は健康至上主義というナチス独特の思想から来ているということ。

そのハートネットTVで、昨日今日と神足裕司氏が出演していた。神足氏は現在58歳。80年代、マルキン・マルビを流行語にしたコラムニストである。2011年くも膜下出血に襲われて奇跡的に一命を取りとめたが、左半身マヒ、高次脳機能障害など重い後遺症が残った。それでも奥さんの助けを得ながら著述活動に取り組む姿が伝えられた。

このほか最近、たまたまテレビで見たのは、外食企業ダイヤモンドダイニングの松村厚久社長。現在48歳でパーキンソン病、身体の動きが不自由な状態であるが、昨年東証1部上場を果たし、さらなる事業拡大に向けて走り続ける。これは10日の日曜日夜「ミスターサンデー」で紹介されていた。それから17日の日曜日夕方「夢の扉」で見たのは、24歳で重度の身体障害者でありながら会社を経営する佐藤仙務氏。佐藤氏は脊髄性筋委縮症という難病で身体が殆ど動かせない、自称「寝たきり社長」。同じ障害を持つ仲間と会社「仙拓」を作り、IT系の事業を営んでいる。

彼らの示す勇気に教わった。病や障害は関係ない。生きている限り、自分のできることをやる。それが一番大事なのだと。

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2016年1月19日 (火)

ロックの70年代が消えていく

デヴィッド・ボウイに続きグレン・フライ(イーグルス)の訃報が届いた。
自分はどちらもそれ程熱心なファンではないけれど、今年に入って立て続けのロック・スター死去となると、やはり感慨めいたものが生まれる。

4年前の夏、ジョン・ロード(ディープ・パープル)が亡くなった時、自分はブログにこう記した。
「自分がティーン・エイジャーの頃のヒーローが、この世を去っていく時期に入ってきたようだ。向こう10年位は、さびしいニュースを聞く機会が増えるんだろうか」
そうなってきたよなあ・・・かつて若くして世を去ったトミー・ボーリン(ディープ・パープル)、ジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)、フレディ・マーキュリー(クイーン)の死はかなりのショックだった。最近亡くなったロック・スターは短命というわけではないから、ショックという程でもないが、やはりさびしいと感じるニュースではある。

昔は良かった、みたいなジジくさい言い方はあんまりしたくないのだが、ロックについては昔、70年代は良かったとしか言いようがない。
あの頃、一世を風靡したロック・スターが世を去る。70年代は遠くなりにけり、どころか消えていく、という感じがする。

70年代ロック・・・そうだ今年2016年はリッチー・ブラックモア・イヤーなのだった。6月予定のハードロック復帰ライブ、71歳になるリッチー御大が無事にステージに立っていることを願う、ぞ。

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2016年1月13日 (水)

「世界資本主義」と歴史の反復

ヘゲモニー国家不在の中、世界戦争が勃発する?――『パリ同時テロ事件を考える』(白水社)所収の座談会「テロと戦争の時代を生きる」、柄谷行人の発言からメモする。

私は(歴史的段階の)循環的な側面に注目します。それを示すのが、「世界資本主義の段階」です。60年周期で、帝国主義的な段階と自由主義的な段階が交互に来ている。ただし、ここで使っている「帝国主義」「自由主義」という言葉は、一般に使われている意味とは違います。ここで「自由主義的」というのは、ヘゲモニー国家が存在する状態を意味しています。1810年から1870年のイギリス、1930年から1990年のアメリカがそうです。1750年以前のオランダもそうでした。「自由主義的」というのは、このヘゲモニー国家の経済政策のことなんです。

一方、「帝国主義的」というのは、ヘゲモニー国家が存在していない状態です。そして、次のヘゲモニーを得るために主要国家が争いあう。だから世界戦争が起こる。たとえば、1750年から1810年が帝国主義的段階ですが、その最後に世界戦争があった。それがナポレオン戦争です。このあと、イギリスはヘゲモニーを確立しました。それが自由主義的段階です。19世紀末にイギリスが没落するにつれて、帝国主義的段階になった。それが一般に使われている意味での帝国主義の時代ですね。その最後に起こったのが第一次大戦で、その後にアメリカがヘゲモニーを確立した。そして、自由主義的段階に移行した。つぎに、1980年ぐらいにアメリカの没落とともに、再び帝国主義的段階に移った。そのように、一つの段階はおおよそ60年続き、120年で一回りします。したがって、似たような様相が出てきます。

1917年にロシア革命が起こって、1920年に国際連盟ができた。これは、第一次世界大戦の最中、および、その後に起こった出来事です。まさに前の帝国主義の終わり頃に起こったんですね。通常、この二つはまったく異なることだと考えられています。一方は、マルクス、他方はカントによるものだから。しかし、カントは市民革命は一国だけではできないから、諸国家連合が必要だと考えた人だし、マルクスも社会主義革命は「世界同時革命」でしかありえないと考えていた。つまり、永遠平和と社会革命は切り離せないものです。第一次大戦の後では、この二つが別々に起こった。だから、両方とも駄目になったのです。
現在の「帝国主義的」状況から、世界戦争が起こった場合、その戦争のあとには、革命と国連という問題が再び出てきます。その意味で、歴史の反復性を考えておく必要があります。

・・・「帝国主義」と「自由主義」のトレンドが交互に現れる「世界資本主義」のサイクル――歴史の反復とは、相場のトレンドとサイクルにも通じる考え方だなあ。と、証券会社社員であるワタシは思う(苦笑)。それはそれとして、カントとマルクス、永遠平和に世界同時革命と、柄谷節全開のお話。ですな。

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2016年1月 3日 (日)

「トランプ現象」の何だかなぁ~

元日付日経新聞国際面「2016米大統領選・細る中間層」からメモする。

今年11月の米大統領選の予備選が2月1日に始まる。民主党は本命、ヒラリー・クリントン前国務長官(68)が他を引き離す。共和党は不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が世論調査の支持率で首位を走る。トランプ氏が今なお躍進している背後には、政治的に穏健な無党派が多い中間層の空洞化という米社会の構造的な変化がある。

米世論調査機関のピュー・リサーチ・センターによると、2015年初めに米国のいわゆる中間層に当たる成人数は1億2080万人に上った。低所得層と高所得層は計1億2130万人。(中間層家庭の年収4万2000~12万6000ドル、円換算で500万~1500万円)
ここ数十年間で中間層は減り、高所得層と低所得層はいずれも増えた。

米国で目立つ中間層の衰退は政治的なリスクとも連動する。中間層の人々が経済的な理由からそれまでの生活水準を維持できなくなった時に、その不満は情緒や感情で態度を決めるポピュリズムと結びつきやすくなるからだ。

(ある演説会で参加者に尋ねた。)「なぜトランプ氏を支持するのか」。最も多い回答は「ほかの政治家と違い正直だから」。政策より気分を重視している実態が、ここでもうかがえる。

・・・「トランプ現象」とは、政治における本音主義なのかアマチュア主義なのか。既存の政治に対する不満を示しているとしても、「身も蓋もない」主張がまかり通る、それが結構受けるという有り様は何だかなぁ~である。民主主義の病的様相には、その国ならではの現れ方があるようだ。

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