« 学問は終わってる | トップページ | 「トランプ現象」の何だかなぁ~ »

2015年12月31日 (木)

永遠のゼロ金利?

資本主義の終焉、その先の世界』(詩想社新書)は榊原英資、水野和夫の共著。両者が日銀の金融政策について語っている部分からメモ。

水野 (日銀の金融政策は)円高を是正し、株価も1万円前後から2万円を超えましたので、その点では効果があったのだと思います。
しかし、消費者物価を2%上げるという目標はいまだ達成できていません。
もともと黒田さんはじめマネタリスト的な人たちは、個別物価ではなく一般物価、要するに個別の物価の足し算ではなく、全体の物価を金融政策で上げることができると言っていた。一つの物価の上げ下げではなく、原油価格が下がれば購買力が増えるわけですから、他のものを使って均せばちゃんと2%になりますよ、という立場だった。
インフレやデフレは貨幣現象だとおっしゃっていた現在の金融政策の責任者の方たちが、「原油価格が下がったから目標を達成できない」と言い始めているのですからおかしな話です。貨幣現象は十分にマネタリーベースを二倍に増やしてやっているわけですから。

榊原 いや、わかります。ただ若干、黒田さんを弁護すると、彼に直接聞いたことはないけど、おそらく彼はもともと物価を2%上げようとなんて思っていないと僕は思う(笑)。
水野 本当ですか!? そうしたら土台が崩れる(笑)。
榊原 つまりね、彼の言いたかったことは、金融緩和を継続するっていうことなんですよ。だから2%にならなきゃずっと継続できるわけです(笑)。
水野 じゃあ、むしろならないほうがいいじゃないですか(笑)。
榊原 だから、物価上昇しなければ、少なくとも金融緩和を継続することはできる。僕は、黒田さんの本音っていうのはそういうところじゃないかと。本当に2%にできると思ってないと(笑)。

水野 ということは今後もしばらくは、ゼロ金利が事実上続きますね。
榊原 事実上続きます。ゼロ金利か、超低金利が続いて、しかも量的緩和も続くということでしょう。

・・・いわゆる異次元緩和は異常な金融緩和であるわけだから、異常な状態が当たり前になるというのは、そのこと自体が異常の極みだろう。だとしても異常な状態を脱する見通しがなかなか立たないくらい、景気の回復力や持続力は脆弱だという印象もあるので、やはり当分は異次元緩和を続けるしかないのかな。

|

« 学問は終わってる | トップページ | 「トランプ現象」の何だかなぁ~ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 永遠のゼロ金利?:

« 学問は終わってる | トップページ | 「トランプ現象」の何だかなぁ~ »