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2015年12月 2日 (水)

会計士監査の役割

東芝の粉飾決算で、新日本監査法人の監査に落ち度はなかったのか問う声もある。しかし会計監査は本来、粉飾や不正の発見を求められているわけではない、とのこと。本日付日経新聞・投資情報面記事「わかる監査」から以下にメモする。

投資家にとって上場企業が作り、投資家に開示する財務諸表は投資判断に欠かせない資料だ。法定の開示資料である有価証券報告書に重大な虚偽の記載があると、刑事罰の対象になる。法律ではその正しさを企業から独立した第三者である監査人がチェックするように義務付けられている。監査人は専門知識と実務経験を備え、国家資格を持つ公認会計士が担う。

会計士は企業と契約し報酬と引き換えに財務諸表をチェックする。
当然ながら投資家は「監査で不正を見つけるはず」と期待する。
ところがその期待をぶつけると、多くの会計士がこう答える。
「不正の摘
発が監査の第一の目的ではない」

会計士の言い分はこうだ。監査の目的は「経営者が作成した財務諸表が適法かつ適正かどうか」にある。正しい財務諸表を作る責任は企業経営者にあり、会計士は企業が提出した財務諸表の内容が十分かどうかチェックする役目を負う。

提出された財務諸表に不正があれば一義的には「企業の責任」で、会計士は「開示が正しいかどうかを保証し、意見を表明する」(会計士協会)。

・・・財務諸表の内容は正しいという前提で、開示の適正性を保証するのが会計士監査。ということで世間が会計士の監査に求めるものとはズレがある、という話なんだけど、それでもやはり、監査のプロセスの中で疑わしい点が出てきたら、そこは可能な限り追求してもらいたい、という気もする。

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