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2015年12月 3日 (木)

東芝粉飾と工事進行基準

まずは本日付日経新聞・投資情報面記事「わかる監査」からメモする。

複数の決算期にまたがる大型の工事やシステム開発では、進行度合いに応じてコストを見積もり、売り上げを計上する「工事進行基準」というルールが使われる。総じて企業側の見積もりがベースとなり、不正の温床になりやすい。

東芝で問題になったスマートメーター(次世代電力計)通信システムでも進行基準が隠れみのになった。安値受注の時点で赤字が想定されたのに、東芝は収益が出ると主張。監査法人は見抜けなかった。
会社が主張する将来の収益見通しといった見積もりを覆すには「明確な証拠が必要。訴訟も辞さない覚悟がいる」(大手監査法人の会計士)。

・・・東芝問題については、『会計士は見た!』(著者は公認会計士の前川修満氏、文藝春秋)にも取り上げられているので、以下にメモ。

今回の東芝の事件は、衝撃的でした。それは、会計監査によって発見することが容易ではない、「工事進行基準」の不適切な計算によって、利益を過大に計上していたからです。

(工事進行基準では)工事の進捗度をどのようにして認識するかが重要なポイントになります。
現実的には、それまでに費やした原価の総額と、この先に必要になる原価の見積額を勘案して、進捗度は計算されます。
ただ、この進捗度の計算は、現実には正確な計算がむずかしく、誤差の発生は避けられません。

東芝の場合、ソフトウエアの開発業務という、外見からはほとんど完成度が判別できない事業において、この工事進行基準を適用し、不適切な計算を行っていたのです。

ソフトウエアの開発は、見た目からその進捗度を推し量ることはきわめて困難です。おそらく、会計監査人はおろか、東芝の内部の人であっても、直接の担当者以外は、その完成度合いを正確に計算することはできないでしょう。

東芝は、見積原価の資料を改竄して、未完成の事業において、残りの工事に必要な費用が過少に見積もられるよう操作していました。その結果、各年度において実態よりも過大な収益が計上されていたのです。

・・・ということで、やろうと思えば粉飾決算もいろいろ手はある、ということのようですな。(結局バレちゃうんだけどね)

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