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2015年11月13日 (金)

「魔女の秘密展」に寄せて

「魔女の秘密展」という展覧会が主要都市を巡回している。今年の春、大阪から始まり新潟、名古屋と来て、現在浜松で開催中。会場は浜松駅前の遠鉄百貨店内と分かりやすい場所。東京に来るのは来年2月とまだ先なので、先日新幹線に乗って浜松まで見に行っちゃいました。

展覧会はおよそ100点の展示物で構成されていて、やはり魔女裁判の辺りが見ものかと思う。以下は展覧会カタログに掲載の文章「魔女小史」から、魔女狩りの背景、要因についてメモ。

現代の魔女研究では、ヨーロッパにおいて15世紀半ばからの300年間でおよそ6万人の人たちが魔女として処刑され、そのうちの半分以上は神聖ローマ帝国(当時のドイツはこのように呼ばれていた)の領域で行われたと確認されている。 

最近の研究でようやく、魔女の迫害と過酷な気象状況との間に深い関係があることがわかってきている。ヨーロッパの中世が終わりつつあるころから、世界規模で気候の悪化が見られた。これは「小氷期」と呼ばれ、19世紀まで続く。
そして、驚くべきことに気象状態が特に悪い年と魔女の迫害が一致するのである。
魔女ともっともよく結びつけられる呪いの魔術の2つが、収穫を駄目にする「雹の魔法」、
乳牛を病気にする「牛乳の魔法」だったことを考えれば、最も激しい魔女迫害の波が、「小氷期」の中の気候的に最も厳しい時期と重なるのも不思議なことではない。 

つまり、悪魔の魔力で人間にあらゆる苦しみを引き起こす魔女は罰せられるべしと信じられたのは、こうした気象条件によっても増幅されたのである。さらに、近世のヨーロッパを厭世的にしていたのは「小氷期」だけではなかった。ペストのような伝染病、農民戦争や三十年戦争のような、経済や社会・政治に劇的な荒廃をもたらす戦争、プロテスタントとカトリックの宗教的な緊張関係も、この時代の気分を決定していた。

・・・最近出た本、『欧米社会の集団妄想とカルト症候群』(明石書店)にも、魔女狩りが取り上げられている。その背景としては宗教対立、戦争、不作など時代の葛藤やストレスのほか、やはり気候状況が最近の注目点として挙げられている。

とはいえ、日本人から見れば魔女狩りは、やはりキリスト教の怖さがもろに出た現象としか言いようがない。

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