« 2015年5月 | トップページ | 2015年8月 »

2015年6月19日 (金)

中国人民が支える株高

今週の日経新聞は火曜日、中国株をテーマにした「一目均衡」コラムをメモしたけど、本日金曜日も市況欄コラム「大機小機」(中国株バブルは崩壊するのか)からメモする。

海外投資家の間で中国株バブルを懸念する声が強い。年初来の上昇率は上海総合指数が約60%、深圳の「創業板」指数は約2.5倍になった。

中国の昨年の国内総生産成長率は四半世紀で最低の7.4%を記録し、今年は6%台に落ちる可能性が高い。実体経済と株価の乖離は広がっているが、株式市場の売買高で約8割を占める個人投資家の強気姿勢に変わりはない。

中国経済は2011年までの33年間に平均10%の成長率を達成。先進国に追い付くための高度成長は必要でなくなり、5%程度の成長が続けば今後10年で中国の経済規模は米国を追い抜く。

アジアインフラ投資銀行の設立メンバーは57ヵ国になり、資金量は約千億ドルといわれる。アジア、中東、ヨーロッパにまたがり、総人口で40億人を超える巨大経済圏の構築が実現すれば、21世紀は間違いなく中国の世紀になる。

経済の先行きへの期待を背景に個人投資家が株高を支えているが、政府も株高維持を重要政策とし、規制緩和や利下げで支援している。しかし中国株は売買高で世界1位、時価総額では米国に次ぐ世界2位となり、株価の崩壊がグローバル金融危機をもたらす可能性は極めて大きい。

・・・「時に波乱となっても、長期では上昇が続く可能性はある」とコラムは結ぶが、中国の経済成長が続くのは疑いないとしても、個人の売買が8割を占める株式市場が時に荒っぽい動きになるのも避けられない、という感じがする。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年6月16日 (火)

上海株上昇の語るもの

日本株の時価総額がバブル期を超えたといっても、現在は上海株の時価総額の方が日本株よりも大きい。その上海株は中国企業の実力を映しているのか。本日付日経新聞投資情報面コラム記事「一目均衡」(日本を逆転、上海株の死角)からメモする。

中国・上海株が好調だ。世界取引所連盟(WFE)によると、5月末の上海市場の株式時価総額は5兆9000億ドル(約730兆円)と東京市場(5兆ドル)の約1.2倍に膨らんだ。4月に史上初めて東京市場を逆転。上海株はバブルの様相を強めている。

中国の金融情報会社の「大智慧」によると、上海証券取引所に人民元建てA株を上場する1054社の2014年12月期の純利益は合計2兆610億元(41兆5000億円)だった。
一方、東京市場(3月期企業、新興市場除く)1802社の2015年3月期の純利益合計は26兆9672億円だった。
単純比較はできないとはいえ、純利益で上海が東京の約1.5倍の規模となり、両市場の時価総額の逆転を一見裏付けているように見える。

だが上海市場は社数にして14、比率にしてわずか1.3%の銀行(1兆2000億元)が上場企業全体の純利益の59%を占める。いびつな収益構造となっている。
さらに大きな問題はこうした銀行の収益力低下が確実視されていることだ。

預金金利の自由化は急速に進んでおり、預金と貸出金の利ザヤは縮小している。不良債権処理費用も増えており、かつて2桁増益が当たり前だった銀行の収益は鈍化が鮮明になっている。

上海市場に上場する銀行14行の15年1~3月期の純利益は前年同期比3%増にとどまった。15年12月期通期では横ばいか減益に陥る可能性もある。経済成長の減速と金利の自由化が重なると、銀行の収益に下押し圧力がかかることは先進国の歴史が証明している。

・・・中国の歩む道は「いつか来た道」なのか。1980年代の日本では、経済成長率が低下し金利自由化が進む中で、収益機会を求めて銀行が不動産融資に走ったことがバブルを生み出す要因の一つになった。中国の経済と株にバブルの様相もあるとすれば、遅かれ早かれバブルの崩壊がやって来ることになる、のだが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年6月11日 (木)

米ブラックロック、日本株に強気

本日付日経新聞マーケット面のコラム記事「スクランブル」(巨大投資家、市場を席巻)からメモする。

いま日本株を買っている外国人とは誰なのか。データを探ったところ、ある巨大な米機関投資家の存在が浮かび上がった。その名をブラックロックという。

同社が急成長したのは、金融危機前後に体力が落ちた米メリルリンチと英バークレイズから運用部門を相次いで買収したからだ。今ではあらゆる運用商品を手掛けるコングロマリットで、規模は573兆円と世界で圧倒的な首位。世界最大の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の4倍の規模だ。

日本株への投資額はどれほどか。調査会社ファクトセットがTOPIX500構成銘柄を調べたところ、グループ16社の合計で10兆7680億円。GPIFは下回るものの、日銀とはほぼ並ぶ日本株を持つ、日本企業の2位ないしは3位の大株主ということになる。

何より目立つのは足元の買い増しペース。昨年3月末比77%増で、増加額は4.7兆円。
ブラックロック関係者によると、同社の日本株買いの半分強をETF(上場投資信託)や法人客から預かったインデックス運用の買いが占める。

ブラックロック・ジャパンで最高投資責任者を務める河野真一氏は言う。「バリュエーションはいい水準まできたが、日本企業でガバナンス改革が始まったのは大きい。対話を通じ我々自身が投資先のバリュエーションを切り上げることができますから」。
世界最大の巨大投資家は、まだ日本株を買うつもりのようだ。

・・・ガバナンス改革は、企業の評価引き上げに関与するチャンスとみる機関投資家の自信が印象的ではある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年6月 2日 (火)

「ガバナンス相場」は本物か

日経平均株価は昨日まで12連騰の後、反落して終了。1988年2月に記録した13連騰には及ばなかったが、このところの株式相場の強さの背景の一つに「ガバナンス改革」への期待がある。関連して本日付日経新聞の記事をふたつメモする。まずマーケット総合面コラム記事「スクランブル」(ガバナンス相場の号砲)から。

海外投資家が日本株を買う理由の一つがガバナンス改革だ。株主が企業経営に注文をつけ、共同で企業価値の拡大に取り組むとの期待は高い。その進捗を測る物差しがROEだ。

株主が企業に求める収益率は「株主資本コスト」と呼ばれ、安全資産である長期国債利回りに株式のリスクプレミアムを上乗せして算出する。日本では8%程度とされ、ROEがこの水準を超えれば株主の期待に応えたことになる。

企業が資本効率を意識してROE引き上げに励めば、企業統治改革をけん引役とするガバナンス相場の息は長くなりそうだ。

・・・次に、投資情報面コラム記事「一目均衡」(統治改革の目的と手段)から。

ガバナンス改革をテコに日本企業は収益力の向上や資本の最適化を実現し、投資家にもたらす市場のリターンは増大する――。今の株高の底流にあるシナリオだ。しかし長期投資家の胸中は複雑なよう。コモンズ投信の伊井哲朗社長は「企業も市場も反応は近視眼的。議論が本質からずれている懸念がある」という。

例えば活発化する自社株買い。一時的にROEを高めても、継続的な効果は見込みにくい。引き上げたROEを維持するには、今度は本業の利益率を上げていく必要がある。
ROEの改善で重要なのは分母(自己資本)対策ではなく分子(利益)をいかに増やすか。
その分子対策も短期と長期で視点は異なる。企業価値の増大を重視する長期投資家は、会計上の利益より利益の源泉であるキャッシュフローの創出力に注目する。

ガバナンス改革は企業の持続的な成長を促すのが目的。資本効率の向上はその重要な手段だ。短期的な利益のかさ上げや内部留保のはき出しばかりでは「企業が毎月分配型投資信託のようになる」(伊井氏)。

・・・長期的な企業価値の向上という本来の目的が置き去りにされれば、「ガバナンス改革」も単なる株価の材料でしかない。「ガバナンス相場」の息が長いものになるかどうかは、結局のところ企業価値向上の実現に懸かっている。「一目均衡」コラムは、株主が納得できる成長ストーリーを企業自らが描き実行するしかない、と結んでいる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2015年5月 | トップページ | 2015年8月 »