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2015年5月25日 (月)

(続)集団的自衛権の無理矢理

安保法案に反対する論者として先週、日経新聞で柳澤協二氏(元防衛官僚)を知った(今頃ね)んだけど、今度は与党自民党の反対論者である村上誠一郎氏(衆議院議員)を知った(今頃です)。今週の「週刊東洋経済」(5/30号)掲載のインタビュー記事からメモする。

(安保法案は)まず手続きに問題がある。法の番人である内閣法制局は、「集団的自衛権の行使は憲法上認められない」という憲法解釈を守ってきた。しかし、安倍晋三首相に送り込まれた小松一郎長官(当時)が解釈を変更し、集団的自衛権の行使を可能とした。

これは従来の専守防衛から180度の大転換であり、本来は先に憲法改正を行ってから、法案を提出すべきだ。それを、内閣の一部局の解釈変更で法案審議が始められるなら、憲法は有名無実化する。

安保法案が与党の賛成多数で可決されても、その後は違憲訴訟が多発するだろう。最終判断は司法に委ねられる。法曹界では安保法案は違憲という考えが圧倒的に多い。

自衛隊の定員は現在約25万人で、常時2万~3万人不足している。死傷リスクが高まれば志望者が減る可能性が高い。もし今後、隊員不足が深刻化したらどうするか。法案を成立させようとするなら、政治家は成立後に起こりうる、あらゆるケースを想定しなければならない。今は成立だけ急ごうとしている。

安全保障と防衛とは同義ではない。安全保障でなすべきは敵を極力減らすことである。世論では、中国や韓国にやられっぱなしでいいのか、との声が強まっている。しかし、政治家まで、感情に走ってしまってはダメ。

・・・自民党の中でただ一人、村上氏は安保法案に反対を表明しているということで、今の日本にこういう気骨のある政治家がいるのだと激しく感心する。柳澤氏と村上氏のお二人の意見に同意しよう。集団的自衛権の行使はそもそも憲法上不可能であると。

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