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2015年3月25日 (水)

自社株買いは歓迎すべきか

ファナックの増配または自社株買い検討など、日本企業の株主還元重視という変化の兆しを株式相場は歓迎する動きだが、果たして無条件に評価できるものなのかどうか――昨日24日付日経新聞の投資情報面コラム「一目均衡」(自社株買いの功罪、北沢千秋・編集委員)からメモする。

上場企業の自社株買いが活発だ。背景には自己資本利益率(ROE)の向上を求める市場の圧力がある。ROEの分母を削る自社株買いは数値改善の即効策。(ROE向上を狙い)「年度末に駆け込みで自社株買いをする企業もある」(大和証券投資戦略部)という。

短期マネーは自社株買いをはやすが、長期投資家の目線は少し冷ややかだ。
まず、株価との見合いの問題がある。企業がバランスシートの左側の現金を使い、右側の純資産を買い戻すのが自社株買い。教科書的には、PBR(株価純資産倍率)が1倍を割っているような株安局面が好機だ。PBRが高いと、将来の利益期待(プレミアム分)を上乗せした値段で純資産を買い戻すことになり、企業価値を毀損しかねない。PBRが4倍超のファナックが自社株買いをするのは合理的とは思えない。 

株主が企業に自社株買いを望むのは、経営者不信の表れともいえる。どうせ手元に豊富な現金があっても、成長のために活用できないだろうと考えるからだ。もしも信頼できる経営者が次の成長のため、投資機会を虎視眈々と狙っているなら、長期投資家は安易に自社株買いを求めないはずだ。

・・・経営者を会社資産の「運用者」と見なすならば、自社株買いを選択する経営者、つまり有効な投資先を見い出せない「運用者」は、能力不足の誹りを免れないだろう。

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