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2014年11月14日 (金)

「イスラム国」解説(佐藤優)

今さらながら「イスラム国」って何じゃろか。「週刊ダイヤモンド」(11/15号)の「佐藤優が指南・宗教から読み解く国際ニュース」から、以下にメモする。

イスラム教には多数派のスンニ派と、少数派のシーア派があります。スンニ派はシャリーア(イスラム法)の解釈によって四つの法学派に分かれます。このうちハナフィー、マーリキー、シャーフィーの三学派は世俗の伝統や土地の慣習を大事にし、過激な運動はあまり出てきません。

問題なのは四つ目のハンバリー派。世の中の真理はクルアーン(コーラン)とムハンマド伝承集であるハディースに全て書かれており、その通りに行動すべきとする、いわゆる〝イスラム原理主義〟です。アルカイダ、タリバンなどイスラムの過激派は全てハンバリー派。そして今回のイスラム国も当然ハンバリー派。昨今できた組織ではなく、20世紀のムスリム同胞団(1928年~)を源流とする、イスラム原理主義の歴史を受け継いだ革命組織なのです。 

イスラム国の目的も、世界革命を起こして世界イスラム帝国をつくること。世界に国家はただ一つ。神はアッラーのみ。この世界を支配する法律はシャリーア一つ。それを指導するのは、ムハンマドの後継者であるカリフ(最高権威者)ただ一人だというものです。 

テロ組織が活動を継続するためには、「金」、指導する「メンター」、武器を製造する「技術部門」、「インテリジェンス」の四つが必要で、さらに外側でそれをサポートする「人民の目」があればなお強い。今のイスラム国はその全てが確保されているため、勢力はまだ広がるでしょう。 

イスラム国を弱体化させるために重要なのは、イスラム穏健派をサポートすることによって封じ込めていくこと。イスラム過激派を、キリスト教徒や無神論者など外部の人間がつぶすことはできません。米国はそのことを知っているから、今回の空爆は有志連合という形で、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、カタール、ヨルダンに加わってもらったのです。

・・・イスラム過激派は実に厄介だ。としか言いようがない。

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