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2014年11月 1日 (土)

『資本論』を読む意義

いま、『資本論』を読む意義とは何か。池上彰と佐藤優が、「アエラ」(11/10号)掲載の対談の中で語っているのでメモする。

池上:『資本論』はどういう本か。当時の資本主義の「本質」について書いた本です。マルクスは、社会主義革命は資本主義経済が高度に発展して初めて起きるものと考えていました。資本主義が発展すると社会が豊かになる一方、労働者は貧困に追いやられる。そこで労働者は団結し、革命を起こすと、こう考えたわけです。そのために資本主義について分析したんです。

佐藤:いま『資本論』を読むことにどんな意味があるかというと、この社会の構造の限界がわかるということです。世の中にいくつかある、役に立つ思想の一つです。

池上:高校の時『日本資本主義論争』という本を読み、講座派と労農派というのがあると知り、どちらが日本経済を分析するのに優れているのかと高校生なりに悩んで考えたところ労農派かなと思ったのですが。

佐藤:私の本の中で池上さんを労農派的だと書かせていただきました。講座派は、一言でいうと日本特殊論。日本の資本主義は特殊なシステムであって、絶対主義的天皇制があり、明治維新は市民革命ではなく封建制の強化であると。それに対して労農派は、明治維新を基本的にブルジョア革命(市民革命)だと捉えます。僕は、鎌倉孝夫さんという先生(宇野弘蔵の高弟)のもとで、『資本論』の読み解きを教えてもらいました。

池上:それはすごいですねえ。革命は関係なく、資本主義はなぜ存続できるのかと、資本主義の内在的理論を解明したのが宇野理論です。いまこの時代に宇野派的に『資本論』を読むことによって、資本主義がどういうメカニズムなのかということを理解できます。つまり現代においては『資本論』を学ぶことで、いまの資本主義社会を、自分が生きている社会を、相対化する力を与えてくれると思うんです。

佐藤:『資本論』を読むと、いまの価値観から脱出することができる。競争や出世を良しとする資本主義社会の価値観から抜け出す理論的基礎をつくることができます。

・・・社会の大勢の価値観に捉われずに生きることは大事だと思う一方、個人レベルで社会を相対化するだけでは、社会全体はなかなか変わらないよな、とも思う。

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