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2014年11月29日 (土)

基地と国家主権

ブックファースト新宿店で売上ランキング(社会)トップになっていた『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』(矢部宏治・著、集英社インターナショナル)から、以下にメモする。 

「占領軍」が「在日米軍」と看板をかけかえただけ。本土は1952年の講和条約、沖縄は1972年の本土復帰によって主権を回復したことになっているが、実際は軍事的な占領状態が継続したということ。 

憲法九条二項の戦力放棄と、沖縄の軍事基地化は、最初から完全にセットとして生まれたものだ。憲法九条を書いたマッカーサーは、沖縄を軍事要塞化しておけば、日本本土に軍事力はなくてもいいと考えた。 

1959年の「砂川裁判」最高裁判決の影響で、在日米軍の治外法権状態が確定してしまった。最大のポイントは、この判決によって、「アメリカ政府(上位)」>「日本政府(下位)」という、占領期に生まれ、その後もおそらく違法な形で温存されていた権力構造が、「アメリカとの条約群(上位)」>「憲法を含む日本の国内法(下位)」という形で法的に確定してしまったことにある。 

「本土の日本人以外、世界中の人が知っていること」、それは、「外国軍が駐留している国は独立国ではない」という事実。 

憲法は、力の弱い国が強い国に立ち向かうための最大の武器。フィリピンは憲法改正で1992年に米軍を完全撤退させた。 

日本は第二次世界大戦における敗戦国だ。そもそも国連の本質は「第二次大戦の戦勝国連合」であり、冷戦下においてもその枠組みは維持された。 

敗戦国である日本やドイツを対象とする、いわゆる「敵国条項」は、すでに「死文化した」と言われながら、まだ国連憲章のなかに変わらず存在し続けているという厳然たる事実。 

ドイツは、長く苦しい、しかし戦略的な外交努力の末、米英仏ソの駐留軍はすべて1994年までに完全撤退。ついに本当の意味での独立を回復することができた。 

唯一、状況を反転させる方法は、憲法にきちんと「日本は最低限の防衛力を持つこと」を書き、同時に「今後、国内に外国軍基地をおかないこと」を明記すること。

憲法の正しい書き方がわからなければ、フィリピンを真似すればいい。敵国条項が障害となるときは、ドイツの歴史に学べばいい。

・・・「集団的自衛権」とかテクニカルな話に走らないで、取り組むべきは自主憲法制定、国家主権の完全な回復ということ。しかし、それをやり遂げるだけの胆力のある指導者が出てくるかと言えば、悲観的だけど。

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