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2014年9月22日 (月)

円安で業績は(もちろん)改善

このところ急速に進んだ円安のもたらす悪影響(主に原材料価格上昇)を懸念する声も多いようだが、素直に見れば円安は企業業績を良くする。今週の「週刊東洋経済」(9/27号)掲載記事「円安の利益押し上げ効果は実は拡大傾向にある」(野村証券・伊藤高志ストラテジスト)からメモする。

野村証券の調査では、1ドル当たり1円の円安進行により、わが国の企業の経常利益は0.7%増加すると見込まれる。 

企業業績の対為替感応度は近年拡大する傾向にある。日本企業は13年度に6年ぶりに過去最高益を更新したが、前回、最高益を記録したのは07年度。当時の1ドル当たり1円円安進行時の経常利益増加率は0.4%であった。 

日本企業は現地生産の拡大などにより為替に影響を受けない体制の構築に腐心していたはずだが、どうしてこのような結果になっているのだろうか。 

これは、自動車産業を例に取るとわかりやすい。わが国の完成車メーカーは時間をかけて現地化を進め、現在ではほとんどの部品を現地調達するに至った。ドルで調達しドルで回収するサイクルが確立したおかげで、近年では為替変動は米国における日本車の競争力に影響を及ぼさなくなり、シェア、業績は安定的に拡大している。 

ただ、日本企業である以上、決算時には、ドルで調達しドルで回収した結果を円換算する必要があり、会計上は今でも為替変動の影響は残る。要は、競争力が為替変動による影響を受けない戦略が功を奏した結果、全社業績に占める海外業績の割合が高まり、会計上では逆に為替変動の影響が大きくなっているというのが今の姿である。 

海外展開が進んだわが国の大企業に限れば、①円安の進行・定着は巷間信じられているよりも業績面でプラスであること、②またその程度は時間の経過とともに大きくなっており、③今後もこの傾向は続く可能性が高いことを指摘しておきたい。

・・・海外現地生産の拡大を背景に、円安でも輸出は伸びないのかもしれないが、海外で稼ぐ力が大きくなっているから、結局企業業績に対して円安はプラス効果となる。ということはもちろん株も上がる、ことになる。

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