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2014年9月23日 (火)

寺尾「家康」は語る

NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に徳川家康役で出演中の寺尾聰。ドラマのHPにアップされたインタビューの中で、「家康に対するみなさんのイメージや期待をある意味、裏切りながら、自分のなかにある家康像を表現していきたい」と語る。以下にメモ。

みんな、徳川家康といえば“タヌキ親父”だと言う。若いころにもぼくは家康を演じたことがあって(1973年・大河ドラマ『国盗り物語』)、家康は当時いた武将のなかで唯一、何百年も続く時代の礎をつくった男。信長や秀吉のやり方をじっくり見て、いろいろなものを自分のなかに蓄え、ここぞというときに一気に動き、新しい時代をつくった。そういうことができるのは、タヌキではなくオオカミだと。“タヌキの皮をかぶったオオカミ”だったのではないかと。 

あれから何十年もたちましたが、ぼくの家康に対するイメージは、あのころと変わっていません。信長や秀吉が有言実行の人なら、家康は寡黙でじっくり状況を見据えて、一瞬の隙をついて獲物に飛びかかるような人だと思う。そういう感じで今回の家康像をつくらせてもらっています。 

ぼくは自分のなかで、家康には表に見せる顔と、自分のなかにある裏の顔があると思っていて、それを自分で絶えず意識するために今回は、裏の顔の象徴として右目を少し閉じて、何か企んでいるように見せたいと思いました。

・・・あの右目の瞼が垂れ下がっている感じはわざとだったのか。役作りといえば、もう5年も前、「天地人」で松方弘樹が演じた家康は、頭のてっぺんに小さなコブを作っていたのが目を引いた。この松方・家康も「悪役」としては結構面白い人物像になっていた。家康は基本的に地味な感じがあるので、逆に役者さんには工夫のしがいもあるのかと。まあ個人的には家康といえば津川雅彦。あのギョロ目だけで家康だと思っちゃう。

寺尾聰が若き家康を演じた「国盗り物語」は、自分の中では戦国ドラマのスタンダード。新しいドラマを見る時も、ついつい頭の中で「国盗り物語」と比較してしまう。

大河ドラマで41年ぶりに寺尾・家康が登場した今年、「国盗り物語」に出演した林隆三、米倉斉加年が世を去った。時の流れを感じるばかりだ。

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2014年9月22日 (月)

円安で業績は(もちろん)改善

このところ急速に進んだ円安のもたらす悪影響(主に原材料価格上昇)を懸念する声も多いようだが、素直に見れば円安は企業業績を良くする。今週の「週刊東洋経済」(9/27号)掲載記事「円安の利益押し上げ効果は実は拡大傾向にある」(野村証券・伊藤高志ストラテジスト)からメモする。

野村証券の調査では、1ドル当たり1円の円安進行により、わが国の企業の経常利益は0.7%増加すると見込まれる。 

企業業績の対為替感応度は近年拡大する傾向にある。日本企業は13年度に6年ぶりに過去最高益を更新したが、前回、最高益を記録したのは07年度。当時の1ドル当たり1円円安進行時の経常利益増加率は0.4%であった。 

日本企業は現地生産の拡大などにより為替に影響を受けない体制の構築に腐心していたはずだが、どうしてこのような結果になっているのだろうか。 

これは、自動車産業を例に取るとわかりやすい。わが国の完成車メーカーは時間をかけて現地化を進め、現在ではほとんどの部品を現地調達するに至った。ドルで調達しドルで回収するサイクルが確立したおかげで、近年では為替変動は米国における日本車の競争力に影響を及ぼさなくなり、シェア、業績は安定的に拡大している。 

ただ、日本企業である以上、決算時には、ドルで調達しドルで回収した結果を円換算する必要があり、会計上は今でも為替変動の影響は残る。要は、競争力が為替変動による影響を受けない戦略が功を奏した結果、全社業績に占める海外業績の割合が高まり、会計上では逆に為替変動の影響が大きくなっているというのが今の姿である。 

海外展開が進んだわが国の大企業に限れば、①円安の進行・定着は巷間信じられているよりも業績面でプラスであること、②またその程度は時間の経過とともに大きくなっており、③今後もこの傾向は続く可能性が高いことを指摘しておきたい。

・・・海外現地生産の拡大を背景に、円安でも輸出は伸びないのかもしれないが、海外で稼ぐ力が大きくなっているから、結局企業業績に対して円安はプラス効果となる。ということはもちろん株も上がる、ことになる。

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2014年9月12日 (金)

IFRSって、どうなんだろ

昨日11日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」(国際会計基準より大事なこと)からメモする。

国際会計基準(IFRS)を巡る議論が活発だが、国際化ばかり強調されている。本来は企業にとってのメリットが説明され、監査制度や市場監督の質向上とあわせて議論されるべきだ。 

IFRSはもともと欧州を中心に普及してきた。米国は一定の距離を置き、会計基準の統一は現実的でない。日本基準はIFRSと同等との評価を得て、欧州でも認められている。コンバージェンス(歩み寄り)や相互認証で十分だ。M&Aのための必要性を唱え、短期的な利益を求める株主の視点でIFRS導入を議論するのはおかしい。 

IFRS導入の本質は何か。時価会計と原則主義による哲学の転換である。時価会計の推進は、株主を過度に優遇する可能性がある。本来は過去情報である決算に、未来情報を含む予測・見積もりを求めるため、監査の負担も重くなる。 

規制当局や監査法人による監督が重要だった時代から、企業と投資家の自己責任に基づく予測・見積もりが重視される時代になった。企業には首尾一貫したストーリー性のある情報開示が求められ、財務情報と非財務情報を統合した報告の充実がカギを握っている。 

規制当局は企業の自発的な情報開示の環境を整え、監査がそれをフォローする。監査は企業のガバナンスのチェックに重点を置き、規制当局は開示や監査の複雑な規制の緩和が不可欠である。

・・・IFRSの採用は、企業の財務情報開示の根本思想の転換を意味する――のかも知れないが、やはりIFRSというと、企業の時価評価を示してM&Aをやりやすくする、つまり会社そのものを売買する投資家のための会計基準という印象が強い。ので、たとえ上場企業といえども、IFRS採用に明確なメリットを見出す企業は限られている、ように思う。

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