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2014年6月21日 (土)

米国経済は長期停滞?

年初からの米長期金利(10年国債利回り)の低下は、経済の静かな構造変化を映していた可能性もある――本日付日経新聞国際面「点検・米景気の実力(「長期停滞説」の波紋」)からメモする。

長期金利は金融政策、成長率、物価上昇率、リスクなどの予想で動く。「金利は上がる」と昨年末に広がった観測は、成長率や物価が上向くとの予想が前提だった。
だが物価上昇率は米連邦準備理事会(FRB)がめざす年2%を下回ったままだ。
 

理由は何か。「金融危機の後遺症だ」とイエレンFRB議長は言う。
FRBは雇用改善や株高、住宅の値上がりなどで危機の傷が癒えれば「成長率はやがて上向く」(イエレン氏)とみる。
 

より悲観的な見方もある。サマーズ元米財務長官の「長期停滞」説だ。金融危機前の2000年代前半に米経済は構造的な低成長に陥ったとの見方だ。バブルのさなかでも景気が過熱しなかったのはこのためだという。 

構造的な低成長を招く一因は富の集中だと、サマーズ氏や他の専門家は懸念する。上位1割の富裕層の所得の比率は1980年の30%前半から直近は50%まで拡大。お金持ちほど多く稼ぐ傾向が強まるのに、富裕層はお金をあまり使わない。下位9割の層が所得の1~2%しか貯蓄しないのに対し、上位1%の層は約40%をためるとの分析もある。経済全体で消費に回るお金は減り、成長率を押し下げているという。 

人口構造の変化も響く。経済をけん引する20~64歳の人口は2000年までの10年間は14%近く伸びたが、次の10年は11%台。20年までの10年は3%台に鈍る見通しだ。住宅、自動車、日用品など各市場で消費や投資の勢いが鈍り、成長を抑える恐れがある。 

人口の伸び悩みは潜在成長率を低くする。その分、一人あたりの生産性が高まればいいが、金融危機後の設備投資の抑制もあり足踏みしている。危機前は3%あった潜在成長率が「2%に低下した」と米金融大手モルガン・スタンレーはみる。

・・・どうも、先進国経済の状況は似たり寄ったりになりつつあるらしい。いわゆる「日本化」だ。

お金持ちがお金を使わず貯め込むばかりならば、税金として「没収」して国家が代わりに使うというのも、考え方としては在りなんだろう。富裕層へのグローバル課税を説くピケティの「21世紀の資本論」が米国でブームになるというのも、理由のないことではないようだ。

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