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2014年4月28日 (月)

16世紀、銀が変えた世界

今の世界の基礎は16世紀に形成された。『中国化する日本 増補版』(與那覇潤・著、文春文庫)からメモする。

明朝時代の中国人はとにかく銀に飢えているので、銀さえ持っていけば代わりに何でも売ってくれます。かくして西はラテンアメリカから東は日本まで、全世界の銀がブラックホールに吸い寄せられるがごとく中国へ一方的に流入するという、1500年代後半の現象を「銀の大行進」と呼びます。これがその後の世界を変えたのだというのが、現在のグローバル・ヒストリーの一番の基本線です。

日本で戦国時代と呼ばれる16世紀は、実は全世界が戦国乱世になります。
そして、この大混乱をどのように収拾したかが、それぞれの地域の将来を決定することになる。私は「世界中のいかなる地域であっても、1600年頃に作られた社会が、今日まで続いているんだと思え」と、あらゆる授業で言っています。つまり日本なら江戸時代、中国では明朝にとってかわった清朝、ヨーロッパでは宗教戦争を収束させたいわゆる「ウェストファリア体制」=近代主権国家のレジームです。

「銀の大行進」がもたらしたのが、かの有名な産業革命です。
これまでも見たこともないような銀の大量流入によってインフレーション(価格革命という)が起きた。
長期にわたるインフレというのは、要は今借金をしても返済時には負債が大幅に目減りしているということですから、ここは一発、大規模に資本を投下して起業してみるか、という話になる。こうして産業資本が生まれ、「世界の辺境の後進地帯ヨーロッパが、文明の中心たる中国を追い抜く」という奇跡の逆転劇が起きたというのが、現在の西洋史の通説的理解です。

・・・16世紀、日本はもちろんドイツも戦国乱世だった。自分も織田信長とカール5世をアイドルとするだけに、16世紀が世界史のターニング・ポイントというのは充分「実感」できます。

ところで、この本の主題である「中国化」については、自分にはあまり腑に落ちない概念だった。宋王朝の体制が今のグローバリズムの走りとか言われても、「ソウなんですか」というオヤジギャグ的反応するしかないような(苦笑)・・・結論部分を読むと、ヨナハ先生どこまで本気なのって感じもする。

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