小泉元首相の「脱原発」論
雑誌「プレジデント」(12/16号)掲載の小泉純一郎「日本人ならできる!」(9/24開催、プレジデント誌50周年記念フォーラムにおける講演記録)からメモする。
日本は、原発をゼロにすべきです。しかも、できるだけ早く、日本政府が「原発ゼロ」の方針を国民に提示すべきだと考えています。
私の話を聞いて「原発をゼロにする、などという主張は現実味がない。無責任だ」と言う人がいます。しかし、最終処分場という核のゴミを捨てる場所もないまま、核のゴミを出し続けるほうが、よほど無責任だと私は思います。
原子力発電を失った日本は経済成長が不可能になり、エネルギー供給を輸入に頼ることになった結果、諸外国に国家の命運を預けなくてはならなくなるという言説も多く聞かれます。それについて、私はこう考えています。日本国民は諸外国と比べても、優れた環境意識を持っていますから、さらに省エネルギー化の推進、代替エネルギー技術の実用化によって、事態を打開することは決して絵空事ではないはずです。
原発事故が起きてから、日本は三度も夏を乗り越えることができました。これこそ、日本には原発がなくても生き抜いていける対応能力があるという証拠です。私はそういう意味においても、政治が早く「将来原発をゼロにしよう」という目標を打ち出しさえすれば、多くの国民がこぞって協力してくれると思います。今こそ、「将来は、原発をなくす」とはっきりしたメッセージをリーダー自身が打ち出すことが必要なタイミングです。
・・・この講演で元首相は、これまでも日本は多くの危機を乗り越えてきたのであり、今回の原発問題も日本なら克服できるとのメッセージを強い調子で発信している。
元首相が「脱原発」を訴えることを決意したきっかけは、映画「100,000年後の安全」だという。その内容に衝撃を受けた元首相は、実際に今年8月、フィンランドに建設中の放射性廃棄物最終処理場「オンカロ」を視察して、「原発ゼロ」を目指すべきだと確信したそうだ。
あの映画を観たら原発否定派になるのは、よく分かる。(ブログ内過去記事)
普通の生活者なら原発は止めたいと思うだろう。あとはしかるべき地位にいる人が決断するかしないか、という話。でも安倍ちゃんは、あんまり関心ないだろうな。
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