DVD「紫の奇蹟」に思うこと
しばらく前に買ったままほっておいたDVD「ディープ・パープル 紫の奇蹟」を見た。1984年に再結成したディープ・パープルは、年末から「パーフェクト・ストレンジャーズ」ツアーを始動。そのシドニー公演の模様が収められている。
特別な演出もないシンプルなステージで白熱した演奏を繰り広げるバンドの姿を見て、今さらながら思ったのは、ディープ・パープルの再結成とは、いわゆる第二期の再現以外の何ものでもない、ということだ。何が言いたいかというと、第二期のメンバーであるブラックモア、ギラン、ロード、ペイス、グローヴァ―の誰か一人でも欠けたら、即刻この再結成プロジェクトは終了、要するにバンドを解散するべきだったよな、ということ。
1984年の再結成から、途中イアン・ギランが解雇された時期もあったけど、1993年10月のリッチー・ブラックモア脱退まで、何とか第二期のメンバーで続いた9年間が、再結成本来の意義に相応しいパープルの活動期間だったと思うほかない。それはおそらくロックファンなら誰もが感じることではないだろうか。
自分は85年、91年、93年のパープルの武道館公演を見に行ったけど、さすがに93年12月のリッチー不在、ジョー・サトリアーニのサポートするライヴを見た時は、終わったなあという感覚(・・・少しセンチメンタルに言い足すと、自分の青春も含めて終わったなあという感覚)があった。
しかしその後もバンドは延々と続く。スティーブ・モーズの加入、さらにドン・エイリーの参加とジョン・ロードの脱退(そして死去)・・・リッチー脱退から20年経った今でも、ディープ・パープルという名前のバンドは存在している。再結成30周年(!)になる来年には、春の来日と武道館公演が予定されているとのこと。
70年代ティーンエイジャーである自分は、もう十分に年を取っているので、一口に20年とか30年とか言ってしまうのだが、思い返してみれば恐ろしく長い年月である。若い時に20年とか30年とか聞いたら、気が遠くなる程の長い時間に思えるし、そもそもロックバンドがそんなに長い間活動するなんて想像もつかないことだったので、何だかストレンジな現実である。
しかし今年は、ポール・マッカートニーやキッスが日本にやってきてライヴをやってんだよねぇ。一体今は何時なんだろう~って感じがする。
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