« 石井久、健在なり | トップページ | 参院改革と憲法改正 »

2013年7月 6日 (土)

エラスムスの「君主論」

神聖ローマ皇帝カール5世(1500~1558)は、同時代の人文主義者エラスムスの書いた『キリスト教君主の教育』をテキストとして、いかなる思想に基づいて君主は行動するべきかを学んだ。本日聴講した朝日カルチャーセンター講座「神聖ローマ帝国とハプスブルク」(講師:皆川卓先生)から、以下に紹介します。

『キリスト教君主の教育』は当初、ブルゴーニュ公フィリップのために執筆されていた。しかしフィリップは28歳で急死。その後も手を加えられた著作は1515年、フィリップの子カールに「帝王学のテキスト」として捧げられることになった。その主な内容は、

①神の意思に背く君主は滅びる。
②神は「徳」によって君主を評価する。
③君主の徳は、人民の「父」となり、「子」である人民を慈しむことである。
④諌言する臣下を大事にして、追従を言う臣下は斥けること。
⑤神と関わりのない(私利私欲の)戦争はしてはならない。

というもので、この「民を通して神に責任を負う君主」の倫理を示した書物を、カールは常に携行していたと言われる。

・・・カール5世はとても君主らしい君主、というイメージがある。それは、エラスムスの「帝王学」にある人民の「父」であれ、という理想を、皇帝が自らに課したからではないだろうか、と想像する。

同時代のドイツ宗教改革をリードしたルターも、エラスムスと交流していた。ということは、エラスムスはカール5世とルター、当時の体制派と反体制派、両方の中心人物に影響を与えていた、というのが面白い。

|

« 石井久、健在なり | トップページ | 参院改革と憲法改正 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/174032/52340129

この記事へのトラックバック一覧です: エラスムスの「君主論」:

« 石井久、健在なり | トップページ | 参院改革と憲法改正 »