参院改革と憲法改正
本日付日経新聞のコラム記事「核心」(がけっ縁の参議院)からメモする。
過去39回の主要国サミットに出た首脳の数を国別に比べると、日本の19人とイタリアの15人が突出する。最少のドイツはメルケル首相が4人目だ。
首相がくるくる代わる日伊両国に共通するのが「強すぎる第二院」だ。
日本の憲法は、首相指名、予算、条約で衆院を優越させるが、例えば予算が成立しても、赤字国債発行の法案などが通らないと予算執行が行き詰まる。参院が否決した法案の、衆院の再可決は3分の2以上とハードルが高い。「ねじれ」が政権の命取りになりがちだ。
イタリアは上院と下院が対等で、両院の信任がないと内閣ができず、前回総選挙後も2ヵ月ほど組閣が宙に浮いた。そのイタリアの国会が、来年10月を目標に「決められる政治」への憲法改正に動き始めた。上院の権限縮小や、大統領の役割強化などを検討する。
さて日本は。一部政党が主張する一院制はもちろん、参院を地域代表に特化するにも、衆院の再可決要件を過半数に下げるにも、憲法改正が必要。参院でも3分の2の賛成が要る。
フランス革命の指導者の一人で聖職者出身のシェイエスは、二院制の矛盾を突く言葉をのこした。
「第二院は何の役に立つのか。第一院と一致するなら不要。異なれば有害」
・・・まず参院改革を目標に掲げるんだったら、個人的には憲法96条先行改正とやらには賛成するけどな。まあ先の国会最終日における重要法案廃案の顛末を見れば、参院はもはや不要としか思えない。というか、民主党参議院議員会長が不要なんだろう。でも今度の選挙は与党勝利で「ねじれ」は解消の予想だから、そうなっちゃったら参院は結局変わらないまま存続していくんだろうな。アホらし。
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