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2013年2月24日 (日)

キリスト教もイスラムも謎

日本人のための世界史入門』(小谷野敦・著、新潮新書)を読んだ。書き方はエッセイに近く、映画や小説などの話もあるので読みやすくてタメになる、という感じ。小谷野先生はやっぱり学があるし、意外と素人目線に立った素朴な感想・疑問も吐露されているのが面白い。たとえばキリスト教について。以下にメモしてみる。

私にはキリスト教というのがよく分からない。なぜその原点は磔になったイエスでなければならないのか。またユダヤ教の経典である旧約聖書が、なぜキリスト教の経典でもあるのか。あるいは新約聖書の福音書にしても、なぜイエスの生涯を4人でよってたかって書かなければならないのか、分からない。そもそも聖書は全体として、ギリシア神話のような、物語としての面白さというものがない。

ローマ帝国の成立とほぼ同じ頃にキリスト教が生まれるわけだが、いったいなぜ、イスラエルという、アジアの一地域で、ユダヤ教を母体としてキリスト教が生まれ、それが次第にヨーロッパ世界に浸透して国教にまでなり、それ以後のヨーロッパ人を支配したのか、またキリスト教徒がなぜユダヤ教をあれほど憎んだのか、ということは、ストンと腑に落ちる説明がない。

キリスト教徒でない人間にとっては、キリスト教なんておかしなことだらけである。

・・・全く同感でございます。イスラムの開祖ムハンマドについての疑問もメモしてみる。

いったい、ムハンマドというのは何者だったのか。
『クルアーン』を読んで驚くのは、それが『旧約聖書』とほとんど内容が同じだということで、アダムとかイヴとか、モーゼとかソロモンとか、要するに書き直しなのである。ユダヤ、キリスト、イスラムの三つの宗教は、根が同じであって、ただキリスト教はイエスを預言者であり神の子だとし、イスラムはムハンマドをより上位の預言者とするという違いがあるだけなのである。

イエスの前にバプテスマのヨハネがいたように、恐らくムハンマドのほかにも、啓示を受けた預言者というのはいたのだろう。しかしムハンマドだけが、これを発展させることに成功し、その後もうまく行ったということであろう。自ら国家を作り、政治・軍事を行ったという点では、イエスとは違い、むしろチンギス・ハーンに似ている。

・・・4世紀にキリスト教がローマ帝国の国教になり、7世紀にイスラムがアラビア半島から急速に広まった。どちらの教えも最初は迫害されたのに。なぜそうなったのか、正直よく分からない。広まったという結果、現在に至るまで影響を及ぼしている、その世界史的事実だけがある。謎だよ。

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