「パットン将軍」の記憶
『日本人のための世界史入門』(新潮新書)の中で、小谷野敦先生がこんなことを書いているのが目に付いた。
『パットン大戦車軍団』という映画で、ヨーロッパ方面の米軍司令官パットンは、最後に「われわれは戦う相手を間違えた」と叫ぶのだが、実際そうで、本当に戦うべきなのはソ連だったのである。
・・・この映画は自分も少年の頃に見た。まあその時は、戦車がたくさん登場するのを期待して、父親と共に映画館に出向いたのだが、実際にはパットン将軍の人物像を描いた人間ドラマだったから、少々当てが外れたわけなんだけど。そして映画を見た帰り道、父親が「ソ連なんかやっつけちゃえば良かったんだよなぁ」と言ったのを聞いて、自分も(そうか、ソ連という国が残っちゃったのが、いけなかったのか)と、子供心にも漠然とした怖れを感じた覚えがある。
当時、1970年頃はまだ、第三次世界大戦はアメリカとソ連が核ミサイルを撃ち合って決着を付ける、みたいな話が当たり前のようにあったから、子供だった自分でもソ連は恐い国、そんな風に感じる時代だった。
しかし人間、50年以上も生きると、歴史を生きてきたような感じになってくるもんだね。(苦笑)
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