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2013年2月16日 (土)

二人の「ロバート・キャパ」

今月初めの日曜日の夜、7時のニュースからNHKをだらだらと眺めていたら、9時にロバート・キャパの特集番組が始まり、そのまま見ていたら、これは驚き、そうなのか、という思いに包まれた。

Photo_2

番組の内容は、あの有名なスペイン内戦時の写真「崩れ落ちる兵士」の真実について、作家・写真家の沢木耕太郎が推理するというもの。結論的には、あの写真はキャパが撮ったものではなくて、その場に同行していた恋人のゲルダ・タローが撮ったものだという。

キャパの本名はアンドレ・フリードマンだが、何でも当初は、公私ともにパートナーだったタロー(本名ゲルタ・ポホリレ)と二人で撮った写真を一緒に、「ロバート・キャパ」の写真として売り込んでいたという。藤子不二雄みたいなもんか。違うだろ。

あの写真を、キャパじゃなくて別の人が撮ったというのは驚くばかりだが、当時の二人の事情を知れば、まあそれはそれでもいいか、と思える。

ところが、もっと驚いたのは、あの写真は戦闘中のものではなくて、訓練中のものであり、あの兵士は撃たれたんじゃなくて、転んだところだったのだという話。何それ。

番組では、問題の写真と共に残されていた、キャパとタローの撮影した一連の写真からの推理、及びCGによる再現検討が示されて、もう説得力が余りにも強いというか、そうとしか思えなくなってしまった。

1936年9月の「崩れ落ちる兵士」撮影から一年も経たないうちに、タローは戦場で亡くなる。パートナーの死がキャパに与えた衝撃は計り知れない。

この番組を見たのがきっかけで先日、「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」と題された展覧会(横浜美術館、3月24日まで)も見学してきた。今年はキャパ生誕100年という機会に、横浜美術館が所蔵するキャパの写真193点すべてを展示。合わせてタローの写真83点も、日本初公開されている。

タローの展示写真の説明文に、「1936年のタローの写真のほとんどは、ローライフレックスで撮影されている。このカメラ特有の正方形のフレームの特性を生かし、空を画面にたっぷりと写し込んだショットが多く見られる」とか書いてあったので、ますます「崩れ落ちる兵士」はタローが撮ったのだという思いが強まった。

しかし最近は「戦場カメラマン」というと、あの渡部陽一さんのイメージが頭の中に出てきてしまうので、ちょっと困る。(苦笑)

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