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2013年2月17日 (日)

エル・グレコ展

先日、上野の東京都美術館でエル・グレコ展を見た。(4月7日まで開催)

一年前のスペイン旅行ではトレドにも行き、サント・トメ教会で「オルガス伯の埋葬」を見てきたということもあり、今回の展覧会に足を運んだわけだが、じゃあ素晴らしいとか好きだとか言える画家かというと、そこまではいかないかなぁと思う。

大体エル・グレコって、絵画というより劇画みたいだな。タッチや色使いの感じとか。何で宗教画に赤や青、黄色といった原色系が使われているんだろう。感覚的に何か落ち着かない。過去には下品な絵と見なされた時期もあったらしいが、そんな評価も分からなくもない。

今回の展覧会の目玉は、「無原罪のお宿り」をテーマにした高さ3メートルを超える大作。要するに聖母マリアと天使たちの図像だが、画家晩年の作というから、やはり芸術家の創作エネルギーの大きさ強さは桁違いだなと。

個人的に興味深く感じたのは「受胎告知」。会場では1576年頃と1600年頃、制作時の異なる2つの作品が並べて展示されている。同じテーマなのに、同じ画家が描いたとは思えない程、両者の印象は違う。ギリシャに生まれ、イタリアで修業した35歳の画家は、スペインに移り住んだ後、急激な変貌を遂げて60歳に達する頃には、「エル・グレコ」という独自の個性を完成させていたのだと実感する。(2作品のポストカードを並べてみました。左が1576年の、右が1600年の「受胎告知」)

Photo_2

ある作品の説明文中には「対抗宗教改革期」という言葉も目に付いて、1600年前後のスペイン・カトリックで活動した画家の時代背景を改めて感じるし、主題的にはキリスト教の聖人や聖書に関わるものが多いわけだから、もともと日本人には簡単に馴染めない類の画家だとは思う・・・んだけど、来場者多数の状況を見ると、分かっても分からなくても(自分のことです)、とにかく西洋絵画を見に来る日本人って凄いよな、と感心する。

とりあえず自分は、去年の旅行でトレドの町は気に入ったので、トレドに縁の深いエル・グレコにも、ちょっとは関心持っておくかという感じです。

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