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2013年2月 9日 (土)

人生をサバイバルするために

自由とは、選び取ること』(青春出版社)は、雑誌に連載された村上龍の人生相談を纏めたもの。人々の切実な悩みから、現代の日本人が置かれた状況が見えてくる。以下に、作家の回答からメモする。

孤独というのは、喜びや楽しみ、悲しみや苦しみを共有する他人が誰もいなくて、また不安や心配事を相談する人も誰もいなくて、さらに病気になったときなどに元気づけてくれたり看病してくれる人が誰もいないというような状態です。

昔、日本社会に「世間」という共同体があったころは、孤独は大した問題ではありませんでした。今、都市部ではもちろんのこと、地方でも世間は消失しつつあります。だから、個人の孤独が突然浮かび上がってくるのは当然と言えば当然のことです。

友人や恋人は、作ろうと思って作れるものではないし、探そうと思って探せるものでもありません。「出会う」ものです。

男にとって、女性とちゃんとつき合うのは、楽しいことではありますが、面倒なことも多いです。それでは何のために女性とつき合うのかと言えば、わたしたちが生きていくときに、「信頼できるパートナーがいること」がとても重要だからです。しかし、信頼するパートナーと出会うのは簡単ではないし、信頼を維持するには努力が必要です。

信頼できる家族、あるいは友人たち、というのは、どんなときでも助けになってくれます。ただし、信頼できる人間関係の構築は非常にむずかしいです。こうすれば信頼できる人間関係を作れるというような、手軽なコツはありません。信頼を維持すべく、自分で考えて、努力することが必要です。考えてみれば、人間にとってもっともむずかしいことなのかも知れません。

・・・現在の「生きづらい」日本で生き延びるためには、信頼できる人間関係を作ることが大事。しかしそれは簡単ではないというのが、また悩ましいところ。個別の「悩み」では、「マイナス思考」「グチの聞き役」「人目を気にする性格」は悪いことではない、という回答は相談者(と同じタイプの読者)を安心させるだろう。本書を通して作家は、とにかく現実を直視して、解決すべき課題の優先順位を付けて、人生をサバイバルせよ、というメッセージを送っている。

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