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2013年1月10日 (木)

勘三郎の「治療死」

待ってました近藤誠先生。「中村勘三郎さん がん治療への疑問」(文藝春秋2月号掲載)からメモする。まずは治療経過の確認から。

2012年6月、人間ドックの内視鏡検査で食道がんを発見。抗がん剤が二度打たれた。引き続き、7月27日に食道の全摘術。容態は8月末に急変。肺炎から急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症し、呼吸困難に陥る。ARDSの治療のため、二度転院されたが死亡。 

食道全摘術は果たして妥当だったのか。結論を先にいえば、手術を選ばず、放射線治療にしておけばよかった。食道を残せるし、生存率は同じだからです。 

放射線では食道が残るので、治療が終れば、正常な日常生活に復帰できます。これに対して手術では、生活の質が大きく損なわれてしまう。まことに手術は「人工的な大ケガ」なのです。 

勘三郎さんの場合、肺炎からARDSになったといいますが、肺炎を起こした原因は何か。ARDSを発症する危険性を高めたのは抗がん剤ではないでしょうか。抗がん剤で生じる肺炎には二種あります。一つは、細菌やウイルスによる肺炎で、抗がん剤で白血球が減るために生じます。別のタイプは間質性肺炎です。抗がん剤が肺胞壁を障害し、それに反応して炎症が生じてしまうのです。 

では、どうしたら勘三郎さんは治療死を避けられたのか。 

私見では、食事が喉につまる等の症状がないのに健診や人間ドックで発見された食道がんの場合、長生きし、生活の質を保とうと思ったら、手術も放射線も抗がん剤も受けず、がんと診断された事実を忘れるのが一番です。 

理由は、初期のがんであっても、他臓器に転移していれば、どのように治療しても治らない。他方、転移がなければ、食道がんといってもオデキのようなものだからです。 

その(病巣が増大して治療を検討する)場合の方法も、手術ではなく、放射線治療にしておく。また、抗がん剤は遠慮する。高齢になるほど、喫煙経験があるほど、抗がん剤は危険になります。 

勘三郎さんは、がん早期発見神話と医者の(自分たちの仕事量を増やそうとする)犠牲になってしまったとしか評価できないのです。

・・・がんよりも抗がん剤が恐い。自分の記憶では20年前も、逸見政孝アナウンサーのがん死について近藤先生は、かなりの臓器を取ってしまう大手術の後に、さらに抗がん剤を入れたことで死期を早めたと指摘していた。つまり、今回の勘三郎のケースと概ね同様のパターン。どうやら日本のがん治療における手術または抗がん剤中心主義は、大きくは変わってないらしい。医者には用心せよ!

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