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2012年12月 7日 (金)

カタルーニャの「独立」

本日付日経新聞の総合面記事(スペイン断裂 欧州の縮図)からメモする。

スペイン北東部のカタルーニャ州議会選が11月下旬に投開票され、スペインからの独立を訴える勢力が議席の過半数を獲得した。国内総生産(GDP)の約2割を稼ぐ州で持ち上がった独立騒ぎ。なぜ独立機運が高まったのか。 

スペインはもともとカタルーニャやカスティーリャ、アラゴンなど複数の国で構成されていた。18世紀初めに勃発した「スペイン継承戦争」をきっかけにカタルーニャは独立国の地位を失い、スペインに組み込まれた。20世紀に入って独立運動が活発になり、地方選挙で勝利した政党が1934年に「カタルーニャ共和国」の成立を宣言した。 

だがスペイン内戦後のフランコ独裁政権は独立を認めず、カタルーニャ語の使用を制限するなど弾圧を加えた。78年に自治を回復したが、独立を目指す考え方は社会の通底にある。 

独立意識に再び火を付けたのは欧州債務危機だ。「中央政府は緊縮財政をやめろ」「雇用を増やせ」。9月11日、カタルーニャ全土に150万人が集まった。 

同州はスペインの全17州で最も大きい経済規模を持つ。毎年150億ユーロを超える税収が中央政府に吸い取られ、経済成長が遅れた州に渡る。同州も欧州危機のあおりで病院など公的サービスの一時停止に追い込まれた。「富が奪われている」という不満は根強い。 

実際に独立できるのか。マス州首相は2014年に独立を問う住民投票を実施する方針だが、中央政府は「憲法違反」と主張。同州が投票を強行すれば差し止めも辞さない構えだ。いま独立を支持している住民も一枚岩ではない。独立を果たしても欧州連合(EU)加盟の道筋が見えないためだ。

カタルーニャ州の独立騒ぎは、ドイツなど北部欧州と南欧の対立が続くユーロ圏の縮図だ。成長軌道を取り戻さない限り、別の国でも同様の動きが強まる可能性がある。

*カタルーニャ州:人口約750万人(スペインの16%)
            名目GDP2000億ユーロ(スペインの18.7%)
            失業率22.5%(スペイン平均は25%)
            公用語はカタルーニャ語とスペイン語

・・・一年前にやはり日経新聞から、イタリア「南北問題」の記事についてメモしたけど、スペインのカタルーニャ「独立」問題も、一国内で豊かな地域の不満がくすぶっているのは、ほぼ同じ構図といえる。昨日の日経紙上のコラム「大機小機」では、地域格差=地方分権の問題として捉えられていた。

ヨーロッパを見ていて思うに、今回の世界不況の荒波の中で、国家連合レベルでも国家レベルでも、統合の危機が露わになっているという印象だ。かつて冷戦終了後に、国家統合のイデオロギーが消滅したユーゴスラヴィアは解体した。今度は経済格差が国家を解体するのか。その際国家の再統合を可能とする原理はあるのか。しかしおそらく、それもまた経済的な方法で解決するほかないように思える。

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