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2012年11月14日 (水)

成長とインフレの遠い記憶

本日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」(人口構成の変化と社会意識)からメモする。

人口構成の変化は社会の意識を変化させるだろう。人々は自分が体験したことについて基づいて意識を形成していくはずだ。今15歳から64歳までの「生産年齢人口」が社会を支え、社会全体の意識をリードしているとしよう。 

経済成長についての意識。日本経済の高度成長期に15歳以上であった年齢層が生産年齢人口に占める比率は32%である(2012年10月1日時点の総務省人口推計による。年齢区分が5歳刻みなので50~64歳で計算)。一方、低成長期に入った1990年に15歳以下だった「低成長しか知らない世代」が生産年齢人口に占める比率は46%である(15~39歳で計算)。 

物価意識。日本は74年に石油危機後の狂乱インフレを経験している。この時点で15歳以上だった人は、現在の生産年齢人口の32%となる(50~64歳で計算)。また、日本の消費者物価は95年以降ほとんど上昇していないが、95年時点で15歳以下の「物価の下落しか知らない世代」が生産年齢に占める比率は34%となる(15~34歳で計算)。 

低成長やデフレはそれが長引けば長引くほど、人口構成の変化を通じて、自己実現的にその状態からの脱却を難しくするというメカニズムがあるのではないか。

・・・自分は「50~64歳」の下っ端の方で、高度成長の終わり=石油危機とインフレ以降の記憶はハッキリ持っている古い世代である。(苦笑)

今週の「週刊エコノミスト」(11/20号)にも、同じような論文記事がある(小峰隆夫・法政大学大学院教授)が、そこに掲載された表では、2011年時点で労働力人口に占める「高度成長を体験した人」は約2割、「狂乱インフレを体験した人」約3割、「バブルを体験した人」約5割(基準は順番に「1970年時点で20歳以上」「74年時点で20歳以上」「85年時点で20歳以上」)。そして「物価下落しか体験していない人」約4割(基準は「95年時点で24歳以下」)となっている。

個人史を言えば、高度成長時代は幼少期だったから、自分の意識の中には入ってきていない。石油危機とインフレは中学生の頃で記憶もあるし実感もある。何しろプラモデルが5割値上がりしたし(苦笑)。余計な話だが、「ノストラダムスの大予言」が流行ったのもこの頃だった。バブルは20代後半の頃で、何というのか「世の中変わった」という高揚感の中にあったように思う。

しかし90年代初頭、バブルは崩壊。以来20年以上日本はデフレの中にある。デフレ脱却を目指して成長戦略があれこれ論じられてはいるが、成長を知らない「バブル後」世代の人々が増加していく趨勢の中で、具体策を考えるのも実行するのも簡単じゃないよな。

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