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2012年8月16日 (木)

「パラサイトシングル」の変質

日経新聞電子版(8/15付)、家族社会学を専門とする山田昌弘・中央大学教授のインタビュー記事からメモする。

かつての2世帯同居は、親夫婦と既婚の子供夫婦が典型だった。今は未婚の中高年の子供と高齢の親の同居が急増している。 

最近増えているのは、親の年金と子供の乏しい収入を足してやっと生活をしているというケース。日本は住居費など世帯を維持するためのコストが高い。それでも住む家さえあれば、少ない収入でもなんとか暮らしていける。 

30歳代の男性の雇用状況をみると、結婚していれば正規雇用率は9割。親と同居している未婚男性の正規雇用率は6割にとどまっている。失業者は2割くらいだろう。親に寄生する「パラサイトシングル」も様変わりしている。かつては自分の小遣いを確保するためにという人が多かったが、今は親に依存しないと生活ができないという人が増えている。 

・・・山田先生は、シニアを頼る家計モデルは、親が亡くなれば崩壊すると指摘。若者の雇用対策の不在にも懸念を示している。

振り返れば、かつてバブル期の「パラサイトシングル」は、親元から会社に通うOLが代表例だったか。彼女たちの自由度の高い消費の在り様が、収入の大部分が家賃に消える地方出のOLとの対比の中で語られていた覚えもある。そして時は流れて「パラサイトシングル」の内実も変わり、今や日本的貧困を示す言葉の一つと化している。結局、日本では「住居費など世帯維持のコストが高い」ことが、好景気でも不景気でも、生活のネックになっている。

貧困から余儀なくされる「2世帯同居」や「パラサイトシングル」は、「孤立死」などの事件にもつながっている。現実に「孤立死」する世帯は稀としても、潜在的に危うさをはらんでいる世帯は相当な数に上るのではないか。雇用対策をはじめ政策的・社会的支援が求められているのは疑いない。

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