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2012年4月15日 (日)

橋下徹と日本政治の課題

雑誌「Voice」5月号の特集は「橋下徹」。宮崎哲弥(評論家)、萱野稔人(哲学者)、飯田泰之(経済学者)の鼎談記事からメモする。

宮崎:橋下徹大阪市長は強い意志をもって「改革」に邁進しているようにみえる。まずポピュリズム的政治手法の真偽、是非に触れておきましょう。

萱野:彼の政治手法について考えるには、時代状況を捉える必要があると思います。いまの政治は、かつてのような利益分配機能の上に立てなくなってしまった。政治の課題は、増税や社会保障の削減など「不利益をいかに分配するか」に移ったのです。橋本さんの手法を「ポピュリズム」として批判すべきか否かについては、私は即断を避けたい。というのは、利益配分ができない時代状況で、行財政のスリム化を実現するためには、権力源泉の確立として「ポピュリズム」以外に有効な手法があるかといえば、疑問だからです。

宮崎:過去の轍を踏まないようにするためには、「近年の改革政権とは何だったのか」を再考することだと思う。第一の改革政権は小泉政権でした。二番目が民主党を中心とした政権。これはすべての面で失敗に終わりつつある。もし大阪維新の会が中央で政権を取れば、第三の改革政権になるのでしょうが、これまでの二者とどう違うか。

飯田:「時代」でしょうね。ここまで言わなければ事態が収拾つかないところまで日本社会がきた、ということです。橋下さんや大阪維新の会そのものの新しさより、そのような時代背景が大きい。

宮崎:民主党政権の最大欠陥は経済成長政策を欠いていたという点です。現今の政府の経済閣僚、執行部の幹部にも成長放棄論者が多い。そのくせ予算は膨張させて、あまり意味のないバラマキに濫費するから財政が回らなくなる。この点、橋下さんはまず経済成長と財政適正化を果たそうとしている。その前提として制度改革にみっちり取り組むという姿勢でしょう。

萱野:経済成長については、それはそれでめざすべきだと私も思います。ただ社会システムは、それを前提として組み立てられるべきではありません。典型が年金で、人口拡大、税収拡大の前提で組み立てられているから、ここまでひどく破綻しかけているのです。成長してもしなくても、持続する制度設計にする必要がある。

飯田:システムと経済成長は切り離さなくてはならないというのは賛成です。成長を前提に社会保障を設計すると、成長の成果が社会保障に使われ、社会に再投資されません。成長すればより成長を促進する投資を行なえるようにし、仮に成長できなくても社会を維持できる、といったようにするのが望ましい。

・・・肝心なのは成長前提の社会制度システムを改造すること。成長政策の無いまま、成長前提の社会保障を維持するために、増税しようとする野田政権。最悪だね。

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