« 哲学を齧りなおす | トップページ | 「五賢帝」のおさらい »

2012年4月27日 (金)

「米軍基地」の映画

イタリア映画「誰も知らない基地のこと」は、全世界に広がる米国駐留軍を題材としたドキュメンタリー。2007年イタリアの町ビチェンツァに持ち上がった基地建設計画と反対運動のほか、沖縄、インド洋のディエゴ・ガルシア島の基地問題を取り上げつつ、数多くの有識者や関係者へのインタビューにより構成されている。

現在、世界38の国に700を超える米軍基地が存在する。全世界に展開する米国軍兵士は約140万人。そのうち米国本土、ハワイ、アラスカに合計100万人、残り40万人は外国に駐留。「戦場」であるイラクに15万人、アフガニスタンに7万人の兵士がいるほか、主なところではドイツ5万2000人、日本3万6000人、韓国2万8000人、イタリア1万人の駐留軍が置かれている。

かつて冷戦下において、米軍基地の存在意義は明確だった。しかし冷戦が終結し共産主義という敵が消滅した後も、米軍は独裁者やテロリストなどの新たな敵に備えるという大義名分を掲げて、軍事力の強化と基地の維持を図り、さらに必要とあらば戦争を仕掛けて新たな基地を建設してきた。つまり結論的には、米国の軍産複合体が基地を維持し続けている、とされる・・・出たよ軍産複合体、って感じ。ケネディ暗殺に関与したとも言われているアレだ。

ところで正直言って、沖縄北部、高江のヘリコプター発着所移設問題の存在は、この映画を見て初めて知った。普天間返還アンド辺野古移転だけが問題じゃなかったんだ・・・しかしこういう視点のドキュメンタリーって、何で日本で作られないのかね。

この映画は2010年に製作されているが、仮に2010年に日本で公開されたら、観客を集めるタイミング的には一番良かっただろうな、とは思う。とはいえ2012年の今見ると、別の意味で考えさせられる。なぜなら、基地の維持は否応なく原発の維持とダブって見えるからだ。つまり、国家の意思とは何か、ということ。

基地を受け入れる、原発を稼働し続ける・・・国家の意思決定が、国民の生命や国土を損なう可能性が大きい(その最たるものはもちろん戦争)と思われる時、人々にできることはおそらく、ひたすら抵抗を続けることしかないような気がする。国家の意思に立ち向かう粘り強い抵抗が成果を挙げるためには、その抵抗から連帯の輪が生まれて大きく広がることが必要だろう。それなくしては希望を持つことも難しい。

|

« 哲学を齧りなおす | トップページ | 「五賢帝」のおさらい »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/174032/45036859

この記事へのトラックバック一覧です: 「米軍基地」の映画:

« 哲学を齧りなおす | トップページ | 「五賢帝」のおさらい »