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2012年3月13日 (火)

「政府が身を削る」のまやかし

本日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」(財政問題の本質を直視せよ)からメモする。

増税する前に、政府が徹底的に無駄を排除して身を削るべきだという主張がある。 

政府が身を削れば、国民は自分が負担せずに財政資金が出てくると錯覚する。だが、支出を削った上に増税もすれば経済は収縮し、かえって税収が落ち込んでしまう。これではイタチごっこで、財政が再建できないまま、経済活動や公共サービスだけが減る。 

議員定数の削減や公務員の待遇を独立に議論するのはよい。しかし、増税の必要性とは別問題で、その規模自体が適正かどうかで判断すべきだ。身を削るという名目で議論の俎上に載れば、削った額ばかりが注目され、財政の健全化という問題の本質がぼやけてしまう。

政府は身を削るなどと安易に言わず、国民の間の再分配の構造を示すべきだ。国民も、政府が身を削れば負担を免れると思わず、問題を直視する必要がある。

・・・まったく、国会議員の歳費や公務員給与の削減が、増税するための手続きのように取り扱われているのは馬鹿げている。例えば国会議員定数の削減は、どうせやるんだったら、参議院の廃止まで突き進んだらどうかと思う。財政問題の本質を直視している賢明な国民は、国会議員含む公務員コストの削減は、財政問題の枝葉末節であり、増税のためのまやかしであると感じているはずだ。

賢明な国民が望んでいるのはおそらく、徹底的な制度改革である。社会保障と税の一体改革=単なる増税では断じてない。制度の根本的な改革に手を付けないまま、高齢者を支える現役世代の姿が胴上げ型から騎馬戦型、さらに肩車型になるので増税を、と言われて納得する国民がどれほどいるのだろうか。多くの論者が指摘する年金の賦課方式から積立方式への移行も、政治的論議の俎上には全く載せられていないのが現状だ。国民の多くは増税を受け入れる覚悟はできていると思われる。しかし、政治家に徹底的な制度改革を進める覚悟が見えないのであれば、増税が正しい道であるという確信を国民が持てるはずもないのだ。

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