日銀、やっぱり変?
本日付日経新聞市況欄コラム「大機小機」(世界標準の脱デフレ金融政策)からメモする。
日銀は先月14日に、これまで2%以下のプラスとしていた物価安定の「理解」を、物価安定の「目途(めど)」と言い換えて1%とするとした。
2%を「目標」として上下1%の変動幅を認める世界標準の金融政策と比べれば、なお「目標」でもない1%は低すぎる。
インフレ目標政策の特徴は、中央銀行が目標値を達成できなかった時には総裁が責任を取るという、組織を賭しての国民への約束とする点にある。だが、日銀総裁は発表時の会見で、物価上昇は日銀だけでは達成できないとも述べて、自らの能力と責任を否定した。これは自ら政策効果を減殺しているに等しい。
達成できなくても責任はありませんという「目途」は、インフレ目標とは異質なものである。
英国では2%の目標値を議会が決定し、中央銀行はその実現に責任を負う。上下1%の幅を逸脱した場合には、総裁は議会への説明を求められる。
激変する世界経済環境のなか、このような説明責任こそがインフレ目標政策の神髄であり、柔軟性のない目標値の追求や未達責任を恐れての「目途」との表現は、世界で唯一デフレ下にあるなか、世界標準の金融政策から見て異様に映る。
中央銀行に物価安定を達成する能力と責任があることは自明である。日銀は世界標準の金融政策を見習うべきである。
・・・円高やデフレに対する日銀の姿勢が他人事っぽいのは、何だかなあって感じがする。日銀総裁に限らず、今時のトップは普通のエリートじゃダメだなと思う。
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