政官は覚悟も能力も不足
今週の「週刊東洋経済」(11/5号)掲載の、異色の元官僚二人、佐藤優と古賀茂明の対談記事(国家中枢へ告ぐ!)からメモ。
佐藤:古賀さんの著書のポイントは、「民主党政権が官僚を使いこなせていないという批判は、官僚の言い訳にすぎない」という点です。現下の政官関係が混乱している原因は、民主党政権の能力が低いというよりも、官僚が政治サイドからのオーダーをこなすことができていないことにあるのが真実だ。古賀さんは霞が関においてタブーである、官僚の能力問題に踏み込んでしまった。
古賀:本の中で「官僚は優秀であるというのは迷信である」と書きました。官僚は試験でいい成績をとったという意味では優秀です。しかし、さまざまな新しい課題が日本に突き付けられている中、官僚は従来とは違った政策を出さなければいけない。そうした政策イノベーションの能力があるかといえば、まったくの能力不足。霞が関の政策のパフォーマンスを測れば、成果なんて全然出ていないですよ。
佐藤:民主党の政治家は、自民党と比べて、いろんな点で乾いている。人情話が通じないという面もあるけれど、理詰めで行くとよくわかる人たちが多いのも事実だ。民主党政権の潜在力を過少評価してはいけない。
古賀:民主党議員は、与党になっても官僚と戦う意識が強すぎる。民主党は与党で、行政府の上に立つのだから、官僚は敵という意識では使いこなせない。
佐藤:民主党は、自民党政権時代に与党と官僚が緊張関係にあったことを理解していない。政治家と官僚は緊張感を持ちながら、日本国民と日本国家のために命懸けで働くという覚悟がなくてはいけない。
古賀:実際には、その覚悟が政治家、官僚ともに欠けている。
・・・政治家や官僚などエリートがいなければ世の中は回っていかないので、エリートの振る舞いをどうこう言う気にもならないけれど、この頃は要するにエリートを含めて日本人全体の質が低下してるってことじゃないだろか。
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