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2011年6月 7日 (火)

欧州中道左派の苦戦

本日付日経新聞国際面のコラム記事「欧州中道左派 沈む」からメモ。

欧州で高福祉・高負担を掲げる社会民主主義の中道左派政党の退潮が鮮明になっている。5日投開票のポルトガル総選挙で与党、社会党は野党転落が決まった。スペイン、ギリシャの中道左派与党も緊縮財政で支持率が急低下、来年以降の総選挙で欧州の中道左派政権は存亡の機に直面する。

欧州主要国ではメルケル独首相、サルコジ仏大統領、キャメロン英首相など中道右派が並ぶ。一方、中道左派にとって南欧は「最後の牙城」だが、その基盤が崩壊の瀬戸際にある。

特に財政赤字や債務が巨額な南欧では、中道左派政権が増税や歳出削減、年金給付削減など厳しい財政赤字削減策を実施。これが労働組合を中核とする支持基盤を直撃し、支持者が離反する悪循環を招いている。

中道左派は欧州連合(EU)の欧州議会の第2勢力で、戦後欧州の福祉社会の基礎をつくった。1990年代後半から2000年代前半はブレア英首相、シュレーダー独首相らが従来の右派、左派と異なり、市場重視・福祉の両立をめざす「第3の道」を標榜した。

しかし、ここ数年で「脱・原発」や金融規制強化、雇用対策などメルケル首相らが左派寄りの政策を次々と取り込み、中道左派は存在感を発揮するのが難しくなった。

経済のグローバル化で福祉国家も財政規律を求められる一方、経済の競争力が伴わないと高福祉・高負担を維持しにくくなっている。

・・・漫然と高福祉を続けていけば、行き着く先は国家破綻であることを南欧危機は示した。振り返れば冷戦末期以後、先進国は政策の試行錯誤を続けてきた。1980年代英米のサッチャリズムやレーガノミクス、90年代の「第三の道」、あるいは北欧モデル。グローバリズムに軸足を置いた中道右派政権も、リーマンショック以降は左派寄りの政策を採用。このような欧米諸国の政策の変遷、その流れには興味深いものがある。先進国共通の課題である低成長経済&高齢化社会に対応するため、何らかの理念に基づいて政治が動いてきたことが見てとれる。

それに比べて、我が国の冷戦後の政治はどうだったか。いちおう理念らしきものを掲げていたのは、小泉純一郎だけだったな。大部分の年月は、もう理念もへったくれもない権力闘争に明け暮れた、要するに小沢一郎を巡って動いてきた、ってことだ。情けないとしか言いようがない。

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