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2011年4月21日 (木)

上田毅八郎画伯

昨日4月20日付日経新聞文化面に、上田毅八郎氏の文章が載っている。かつてのプラモデル少年にとって上田毅八郎といえば軍艦の画家。その絵は、そのまま第1級の資料になるほど緻密に描きこまれて、しかも美しい。ついでに書くと、戦車だったら高荷義之の絵が好きだ。一方、小松崎茂の絵は好きになれなかった。美しくないと思う。

上田画伯は、戦争中に従軍して利き腕の右腕を負傷し、戦後は左手で絵を描き続けた(と聞くと、やっぱり水木しげるを思い出す)。有名なのはもちろん、日本連合艦隊の艦船プラモデル「ウォーターライン」シリーズの箱絵だ。2000枚以上を手がけたという。日経掲載の上田画伯の文章から以下にメモ。

何よりもこだわるのは正確さだ。資料を徹底的に調べる。たとえば同型艦でも装備の違いがある。どんな装備をとっても、その機能を理解していないと描けない。砲座の形など、時期によって異なるものも再現する。
写真がないものは、図面から絵を起こす。国会図書館には昔の軍艦の設計図が残っていて、それを見れば構造がわかる。
ところによって海の色も空の色も違う。速度によってはき出す煙のたなびき方も違う。すべて経験しているから情景が再現できるのだ。

個人的に描き続けてきたのは私も乗船していた輸送船だ。民間の商船や客船を軍部が徴用したもので、あまり話題にはならないが、ろくな護衛も受けられず、多くの若い命が散った。

亡き戦友たちの慰霊と鎮魂のため、思い出を描きとめることが使命だと考えてきた。

・・・今年91歳の画伯は、今でも描きかけの作品が300~400点あり、健康を維持して、使命を全うしたい、と意欲を示している。ただただ敬服するのみ。

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