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2011年1月18日 (火)

雑感・抗がん剤の是非

近藤誠論文「抗がん剤は効かない」に対する専門家の批判が、週刊文春(1/20号)に掲載されている。反論記事では、10項目の論点を取り上げて、6つは誤りだという。ただ、専門家が近藤説を「暴論」とする論拠の多くは、テクニカルな印象で素人的には判断が難しい。そこで、抗がん剤の延命効果について述べている部分からメモしてみる。

近藤氏の論文は、抗がん剤に「延命させる力はない」と断言していますが、これは間違いにしても、延命効果が短いという指摘ならば、場合によっては当たっています。統計的に見ると、抗がん剤の延命効果は、ものによっては数ヵ月です。これを長いと見るか、短いと見るかは人それぞれでしょう。その程度の延命のために副作用で苦しい思いをするならば、治療をしないという選択をする患者さんがいても不思議はありません。

たしかに、抗がん剤が効くどころか、そのおかげで命を縮めてしまったとしか思えない患者さんがいるのもまた事実です。抗がん剤を投与する医師は、専門知識を備えたプロでなければならず、また医師も患者も「薬が合わないようなら、いつでも抗がん剤治療剤をやめる」選択をする勇気を持っていなければならないのですが、その考え方はまだ十分に広まっていません。ただし、これは抗がん剤自体の問題ではなく、日本のがん医療体制の問題です。

・・・この辺は、反論記事としてはビミョーな感じ。もう一つ、素人的に気になる経済的観点、要するにがん治療費は高額であることについて、週刊現代(1/29号)記事からメモ。

理想の薬とされる分子標的薬だが、「費用」の問題がある。旧来型の抗がん剤の数倍、十数倍という具合に、値段がべらぼうに高いのだ。1ヵ月に20万~30万円くらいかかるのは当たり前。問題は、その高額に見合うだけの効果があるかという点だ。薬剤費が月に60万円かかるが延命効果は3ヵ月という分子標的薬や、二度目の抗がん剤治療だと、やはり月60万円で1.5ヵ月の延命効果しかないものもある。

・・・費用対効果的にどうかという面もあるけど、結局、投与してみないと抗がん剤の効果や副作用の程度は分からないのが現実だろう。それだけに、「個々の患者に合わせた細やかなオーダーメイド的な治療ができるかどうかが重要」だと記事は結んでいる。

自分には、抗がん剤の恐ろしさに無知だったという後悔にも似た思いがある。18年前のこと、抗がん剤治療を受けていた母の容態が急激に悪化した時、医者から「薬ががんの進行を止めた可能性はある」と説明されて唖然とした。「手術は成功したが患者は死んだ」というブラック・ジョークは、真実を言い当てていたのだ。抗がん剤が「効く」としてもその程度の話で、抗がん剤でがんが「治る」などと思っちゃいけない。そして、できれば医者とは関わりにならない方がよろしい。(でも自分も最近手術入院しちゃったけどさ)

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