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2011年1月16日 (日)

抗がん剤は効かない

がん治療のあり方に一石を投じた『患者よ、がんと闘うな』から15年、近藤誠先生があらためて自らのがん治療に関する「最終見解」を世に問うている。「文藝春秋」2月号掲載の立花隆・近藤誠対談からメモ。

立花:最近著(『あなたの癌は、がんもどき』)は、ほとんど抗がん剤を全面否定しているかのように読める。近藤さんの最終見解は、全面否定なんですか?
近藤:誤解がないように言っておきますと、急性白血病や悪性リンパ腫などの「血液のがん」の大部分と、固形がんの中の子宮のじゅう毛がんと睾丸のがん、そして子供のがんなどでは、抗がん剤が第一に選ばれるべき治療法です。しかし、これらを除くがんは、抗がん剤ではまず治らない。それが最終見解です。
治らなくても寿命が延びればいいのではないか、という考え方も当然あります。これに対しては、寿命は延びない、あるいは寿命が延びたという証拠はない、という言い方ができると思います。

立花:先生のところでは、無治療でウォッチするだけ、みたいなオプションがあって、それを選択する患者が結構いらっしゃいますよね。
近藤:そうです。何か症状が出るまで様子を見ようというのは必ずオプションに入れていて、例えば胃がんとか肺がんで、治療の選択肢が抗がん剤しかないということになると、「じゃ、様子を見ます」という人が、僕の患者ではむしろ多数派ですね。

立花:今後の抗がん剤の可能性についてはどうお考えですか。
近藤:旧来の殺細胞毒としての抗がん剤は、ほぼ先行きはないでしょう。分子標的薬については、うまく働く、つまり効く抗がん剤が生まれる可能性はあると思います。しかし、少なくともこれまでの固形がんに対する分子標的薬は副作用も強く、うまく働いているとは言いがたい。すべて落第と言わざるを得ないと思います。

・・・近藤先生の主張というか、がん治療に対する基本姿勢は以前と同じみたい。てことは逆にいえば、がん治療を巡る状況もあんまり変わってないってことらしい。

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