時に人の言葉は「啓示」である
読売新聞が運営している「大手小町」というサイト内の掲示板「発言小町」において、「全く知らない人の一言に助けられたこと、ありませんか?」という問いかけが多くの共感を集めた。その問いかけに対する反響の書き込みを本にまとめたのが、『他人の何気ない一言に助けられました。』(中央公論新社)。
たまたま自分もこのサイトを見たことがあった。読んでるうちに目頭が刺激されてパソコン画面がじわ~っと霞んでしまった話がある。(勤務時間中)
自分の息子に障害があることが判り、悲観していっそ死のうかとまで思い詰めていた時、通りすがりのビジネスマンが息子を見て「おっ、可愛いな!」と言ってくれた。私の息子は可愛いんだ、じゃあもう少し生きていてもいいかと思えた、というお母さんの話。本書の中にも収められている。
この本のページを開けば、ああ、こんなことが世の中にはあるんだなと思える、そんな小さなドラマの数々が現われる。ただ、本書の各エピソードは、元になった投稿のディテールを多少刈り込んで、すっきりあっさり読めるように編集されている印象。どっちかといえば、サイト内の書き込みの方が、よりストレートに心に迫ってくる感じがする。
苦境、逆境の中にある人が、他人から投げかけられたポジティブな言葉に助けられるというのはよく分かる。心が追い詰められている時、それはまさしく救いになる。その瞬間、他人の一言が、いわば自分を超えた別の世界から与えられた「啓示」になるのだ。大げさに聞こえるかも知れないけど、でもそうなんだよ。
と言いつつ、正直自分はそういう経験がない。あっても忘れちゃったんだろうか。(苦笑)
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